長崎市の中心部に、待望のサッカースタジアムが2024年10月に開業した。Jリーグで現在J2で戦うV・ファーレン長崎が、このスタジアムを本拠地とする。
「長崎スタジアムシティ」は、このサッカースタジアムをはじめ、ホテル、アリーナ、商業施設、オフィスなどもある大型複合施設。JR長崎駅から徒歩約10分という抜群の立地だ。
スタジアムは、ピーススタジアムと名付けられた。この「ピース」とはもちろん「平和」という意味。1945年8月、広島に続いて原爆を投下された都市として、平和への想いはどこよりも強い。
サッカー専用しかも県庁所在地の中心地にあるスタジアムに、地元のV・ファーレン長崎以外に、他のJリーグのサポーターたちからの関心が大きい。中には「アウェイ観戦で行きたい」「来季こそJ1に昇格して」といった声も。
まず、ゴール裏を含めた全席「屋根」付きで、雨が降っても安心。そして、全席にカップホルダーが付く。
さらに、背もたれ付き。ゴール裏はほぼ立ちっぱなしとは思うが、他の席ではのんびり観戦できる。
このスタジアムが他を圧倒するのは「ピッチからの近さ」だ。その距離、たった「5m」で、Jリーグのスタジアム規定で最短となる。まさにギリギリ。
しかも、メインスタンドの最前列は、段差も柵もない。選手と同じ目線での観戦。サッカーファンにとって、これほどぜいたくな体験は他にないだろう。
また、VIP向けの座席も豊富だ。特に、ホテルの客室内から観戦できたり、ロビーもスタンドに面してベランダからスタジアムが見えたりする。食事をしながら観戦できるカフェなどもあって選べるのもいい。
その座席などはクッション性があるので、座り心地よく、疲れない。上層からでもピッチが近く感じるのは、サッカー専用スタジアムならではと言える。
サッカースタジアムで味わうグルメ、通称「スタグル」も豊富。特に、長崎ということで、新鮮な魚介類や野菜などを使う料理の数々、また、長崎ちゃんぽんの店ももちろんある。
フードホールは、試合終了後も営業。帰宅ラッシュを避け、試合の祝勝会や反省会として利用するのも良いだろう。
スタジアムのグルメでおすすめなのが、このスタジアムで醸造するクラフトビール。通称「ヴィ・ビール」である。
2024年10月6日に開催された、V・ファーレン長崎と大分トリニータのこけら落とし試合では、早速完売するほどの人気ぶりだった。
日本のサッカースタジアムでは初めてかつ唯一。1階の醸造所にタンクが並び、2階がレストラン、3階がスポーツバーのようになっていて、観戦時などは2階と3階で購入できる。ビールをテイクアウトして座席で味わうのもいい。
スタジアム発のクラフトビールをはじめ、他にも長崎らしい原材料で作るビールや世界のクラフトビールなども取りそろえるという。ビールに合う軽食も提供するとのことで、スタジアムにいながら本格的なブルワリーが楽しめる。
長崎県に本社を置く通販大手のジャパネットホールディングスが主導し、総事業費約1000億円をかけて開発された長崎スタジアムシティ。サッカーだけでなく、試合やイベントのない日でも、ホテル滞在やアトラクション、レストラン・カフェなど年代問わず楽しめる場所と、話題を集めている。
【公式】長崎スタジアムシティ
(Written by Aki Shikama)