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ここは東京都板橋区。川越街道を都内から埼玉方面に向かって走ると左手に見えてくる看板「ハンサムラーメン」。なんだこのお店は!? そもそも「ハンサム」って死語ではないのか? 
ただ、“気になる度”で言えば、「イケメンラーメン」と書かれるより「ハンサムラーメン」の方が強い気がするのは私だけだろうか。胡散臭さ満点である。今回は食事のついでに、このお店に潜入してみた。ハンサムって誰のこと??

外から見ると、お店は二階建てだと伺える。二階は宴会席になっているようだ。私が入店するのと入れ違いに、野球のユニフォームを来たオジサマたちが出てきた。どうやら地元の野球チームのようだ。この時点でわかったことは、行列ができるような有名店というわけではなく、地元密着型のお店だということだ。たしかに店内に入ると、カウンター席とテーブル席に分かれており、テーブル席は10畳程のお座敷にテーブルが数台並んでいるタイプ。家族連れで賑わう田舎の焼肉屋さんのような雰囲気だ。結構こういう雰囲気は好きである。

さて、入店すると早速お店のホールスタッフの女性が迎え入れてくれた。私をカウンターの席に案内し、お水を出す。私がメニューを見始めると、隣に座りビールを飲み始めた。・・・アットホームなお店である。カウンター内の調理スタッフが、お姉さんにおつまみを出す。アットホームなお店である。まぁ、きっと休憩中だったのでしょうね。実際、他のスタッフは忙しそうにしていました。私はとりあえず、お店のNo.1メニューと書かれた「スタミナラーメン」と「餃子」を注文しました。

メニューを見て思ったのですが、どこにも「ハンサムラーメン」というメニューはないのです。しかも、店内のどこを見回しても店名の由来などが書かれたモノがないし、もっと基本的なことを言えば、…ハンサムがいない! え!? なんだ!? 気になる!!!

私はラーメンを食べながら、とにかくハンサムを探した。イケメンではない、ハンサムだ! イケメンなんて街中にいくらでもいる。しかし、ハンサムはいない。ハンサムを見たい。しかし、気になることは他にもある。ラーメンを食べている私の隣に座っている女性だ。スタッフだ。ここまできたら、スタッフかどうかも怪しくなってきた。もしかしたら、お客さんかもしれない。馴染みのお客さんで、お店を手伝っているのかもしれない。チラチラ横を見る私のことなんて気にせず、彼女はビールを飲みながらテレビを見ている。そう、店内にテレビがあるという時点で、ここが地域密着店だということがおわかりだろう。私に言わせれば、地域密着店にテレビは不可欠だ。地域密着店のラーメン屋には、バンダナを巻いたスタッフなんていらない。スタッフは、なんかこう、料理番組に出てくる料理人のようなカクカクした帽子をかぶっていなきゃダメだ。

…なんてことを考えながら食べているラーメンであるが、これが結構イケる。美味い! 餃子も肉厚があって、このボリュームで180円は安い! 私は以前から、行列が出来る人気店というのは、たしかに美味いが、味が濃すぎる気がしていた。その点、この店のラーメンは、このままおかわりも出来そうな味である。この味を一言で言えば、「丁度良い味」じゃないかな。ハンサム探しに来た私であったが、結構アタリの店を見つけてしまったかもしれない。

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スタミナラーメンは750円。‘スタミナ’と付くラーメンでこのお値段は安い!

で、肝心の店名の由来であるが、スタッフに聞いてみた。もちろん、ビールを飲んでいらっしゃる女性スタッフとは別の方だ。ゆっくり飲んでくつろいでもらいたいからね。

私:「あの、なんでハンサムラーメンなんですか?」
スタッフ:「(顔を赤らめて)社長がハンサムだからです。」

そう言うスタッフの目線の先には、さっきまで私がいたカウンターの前で調理をしている初老のスタッフがいた。 …社長? えっ!? ハンサム?

某・マンガに出てくる、鶴仙人のような容姿の方である。その社長をハンサムと認識するかどうかは、アナタの目で確認してみて下さい。いや、もしかしたら、ハンサムは別にいるのかも。そもそも、「イケメン」ではなく、「ハンサム」なのだから、イケメンに慣れた私とは違う目をお持ちの方になら、理解できる何かがあるのかも…。
とりあえず、ラーメンは美味しいですよ。夜〜深夜中心のお店のようですね。川越街道を走るドライバーさんにオススメ!

店名:ハンサムラーメンくろ
住所:東京都板橋区大谷口上町4-12
営業時間: 11:00〜6:00
定休日:無休
席数:30席(カウンター10席、テーブル24席)

(Written by 川上ルイベ)