20091013_01学生や社会人にとって、日曜の夜は憂鬱な時間ではないだろうか?
朝寝坊できた休みを終え、また明日から日常が始まる。
そんな憂鬱な月曜日が始まる深夜0時00分。
時報とともに、女性の間の抜けた(?)声がラジオから流れる。
「鶴瓶・新野のぬかるみの世界」
テーマソングの後、パーソナリティの2人が挨拶もそこそこに世間話を始める。おっさん2人の雑談だ。
パーソナリティは、笑福亭鶴瓶と関西の放送作家・新野新。2時間半のプログラムは、コーナーなど一切なし。2人のトークとハガキで構成される生放送だった。

ボソッボソッとした語り口調の鶴瓶に、これまたボソッボソッと合いの手を入れる新野。
時々・・・いや頻繁に聞こえる新野の「クックックックックー」という笑い声。この番組存在を知らない人がたまたま日曜深夜にカーラジオをつけ、その瞬間「クックックックックー」という笑い声が聞こえたら驚くだろう。
しかしリスナーは、その「クックックックックー」と新野が笑ってしまうトークを聴きたくてラジオ大阪にチューナーを合わせる。そしてラジオの前で「クックックックックー」と一緒に笑うのだ。
番組のリスナーは「ぬかる民」と呼ばれ、イベントや不定期に行われた公開生放送には多くのぬかる民が参加した。

鶴瓶の経歴や実績は今さらココに書くまでもないだろう。ラジオに限らずテレビでヒットした「鶴瓶上岡パペポTV」や「ざこば・鶴瓶のらくごのご」、現在もオセロ松嶋と放送中の「きらきらアフロ」や毎週ゲストと台本のない即興芝居を打つ「鶴瓶のスジナシ」などはトークを原点にした、いわばラジオのテレビ版。大先輩や後輩芸人、俳優やミュージシャン。鶴瓶はどんな相手にでも合わせ、そして自分と相手との副作用を最大に魅せる才能を持っているパーソナリティだ。
今では多くのレギュラー番組を持つ大御所だが、ブレイクのきっかけはラジオ。そして人気者になった今でもラジオのレギュラーを持ち続け、今もなお保守的にならず新しい試みを次々とラジオで挑戦しているのがラジオファンとしては嬉しい。

「ぬかるみの世界」は1978年春に放送開始。1989年秋に11年半の歴史に幕を閉じた。
その後2001年に「鶴瓶・新野のぬかるみドット・コム」と題した会員制のインターネットラジオ放送がスタート。ぬかるみコンビが12年ぶりに復活と話題を呼んだ。残念ながら新野の体調不良で2004年春より放送が休止中である。
ぬかるみがスタートした年から、もう30年以上の歳月が経っている。もし今二人が喋るとどんな番組になるんだろうなぁ???想像してみるが、良くも悪くも前と変わらない、鶴瓶のボソッボソッとした喋りと新野の「クックックックッー」という笑い声がスピーカーから響くのだろう。
また、やってくれないかな?
これを書きながら、ふと思った。

(written by みぞてたかし)

【Nicheee!編集部のイチオシ記事】
イイ女が集う 「悪女学研究所」って、知ってる?
“多摩”に行くならこのサイト!?
切なさが心に響く・・・密かに”じわり”とブームの暮部拓哉
あのロングセラー商品も初めは新商品だった!「ヨード卵・光」に隠された秘話
ウェディングケーキはもう伸びないのか