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時は21世紀。
各地に現れたゆるキャラは今や、戦国時代の武将達のようにゆる〜くしのぎを削っている。そんな中、三重県津市を中心に活動を続けているのが、今回紹介する『シロモチくん』だ。

このシロモチ君、2008年の地元の武将である藤堂高虎公入府400年記念事業の公認イメージキャラクターとして誕生したゆるキャラである。
高虎が愛した餅の精霊という設定で、三段餅のようなまるまるとして愛嬌にあふれたその姿は、藤堂高虎の旗印の三つ丸餅と、その由来である『餅屋で無銭飲食をしてしまったが、店の主人の世話になり、大名となって恩返しをした』という逸話からイメージされたものである。が、そのあまりにも丸い体型はメタボといわれることもしばしば……。(実際、シロモチくんのブログではそれをネタにしており、津市の保険センターからメタボ予防親善大使にも任命されるほどである)
名前の方も、築城の名手として知られた高虎にあやかって、シロモチ=城持ちというところから来ている。まさにご当地キャラの鑑といえるだろう。

20091019_02ゆるキャラの仕事は、そのゆる〜い外見とは裏腹に結構ハードである。『大好きな津のお殿様 藤堂高虎さんのことをみんなに知ってもらいたくていろんなところに遊びに行くからね!』というシロモチくんの言葉の通り、キャンペーンに精力的に動き回り、市内はもちろん、県内外に飛び回ってPR活動に努めてきた。だが、はじまりがあればいつか終わりは来るもの。今年3月にその藤堂高虎公入府400年記念事業も終わってしまい、シロモチくんのその後の去就が注目されていた。

栄枯盛衰の激しいゆるキャラ界。役割を終えたゆるキャラは、消え去っていく運命にある。実際、シロモチくんも引退の噂は幾度となく流れたものである。しかし、市民からの引退を惜しむ声もあって見事市のPRキャラクターとして続投が決定。シロモチくんの地道な活動が人々に認知されていたことが実を結んだ結果である。今では津市全般のシンボル的なキャラクターとして、地元の幼稚園や小学校、各地のイベントなどに引っ張りだこである。

「おはよぉ。シロモチくんだよ!また、シロモチくんを見かけたら一緒に遊ぼうね♪」
そんなマイペースにゆるキャラの王道を行くシロモチくんだが、これまでもこれからも、その道のりは平坦な物ではないだろう。だが、持ち前のゆるさで、突き進んでいってもらいたい。そう夢は『いつかは城持ち』である。

藤堂高虎公入府400年事業公式ホームページ
http://www.tsukanko.jp/takatora/

公認ブログ『シロモチくん奮戦記』
http://blog.goo.ne.jp/shiromoti/

(Written by 青山鉄平)

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