「坊っちゃん」というタイトルを聞いたことが無いという人はいないだろう。もちろん夏目漱石によって書かれた中篇小説のことである。では、「坊っちゃん列車」という名前は聞いたことがあるだろうか。新手の小説家が書いた「坊ちゃん」の続編、ではない。「坊っちゃん列車」は、小説「坊ちゃん」の中にも登場し、現在も愛媛県松山市内を走る列車のことである。
夏目漱石が坊っちゃんを発表したのは1906年のこと。そんな昔に走っていた列車が今なお走っているのか!?そう思うのも無理はない。しかしこれが、走っているのだ。
「坊っちゃん列車」が登場したのは、愛媛県の鉄道会社「伊予鉄道」が開業してから間もない明治21年のことである。当時の坊っちゃん列車は黒煙をもくもくと出しながら地域と地域を結ぶ松山市民の足となっていた。
この列車が「坊っちゃん列車」と呼ばれるようになったのは、もちろん小説「坊っちゃん」の中で主人公がこの列車を利用しているからである。小説の中では「マッチ箱のような汽車」として登場しており、主人公の坊っちゃんは松山の中学校に赴任してこの列車を利用している。
さて、現在この汽車が煙をもくもくと出しながら街中を走っている姿が想像出来るだろうか。想像するとあまりに場違いかもしれないが、これが走っているのだ。
「坊っちゃん列車」は地域の経済・産業・文化の向上に大いに貢献したが、その後列車の電化に伴い1954年にその姿を消している。やっぱり走ってないんじゃないか、と言うのはまだ早い。この記事が言いたいのは、「坊っちゃん列車」が今も走っているということだ。
一旦その姿を消した坊っちゃん列車だが、地元民からは熱く慕われており、復活を望む声は大きかった。しかし、いくらなんでも一旦廃止した汽車をもう一度走らせようなんて無理があるだろう。確かにそう思われていた。
しかし、走行場所や技術的な多くの問題をクリアし、事実復活したのだ!
見よ、この周りの風景に一切馴染んでいないながらも、堂々と煙を上げる姿を。これが松山市民に愛され復活した坊っちゃん列車だ。
ただ、復活した坊っちゃん列車は、昔のように石炭を燃やして煙を吐き散らしているわけではない。現在はディーゼルエンジンを採用され、さらに煙突からもくもくふき出しているのは蒸気を煙に見立てたもの。何とも環境に優しい。
2001年10月より試験運転を開始し、現在は街中を走り再び市民の足となっている。
松山市のみんなから愛されて何とも幸せな列車だが、松山市は基本的に小説「坊っちゃん」自体も愛している。
松山市では「坊っちゃん文学賞」なる文学コンテストも開催しており、さらに同市にある「道後温泉」卓球大会では「坊っちゃんカップ」と銘打っているのだから、坊っちゃん大好きである。
これからも坊っちゃんと坊っちゃん列車は松山市民に愛され続けて後世に残っていって欲しいものである。
伊予鉄道株式会社
愛媛県松山市湊町四丁目4番地1
TEL:089-948-3222
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