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ご当地グルメや、B級グルメといったジャンルが確立されつつある。ローカルな雰囲気や、B級というネーミングに似つかわしくない美味しさ、ほどよいチープさが人気を集めている。土地に根差したB級グルメは、材料さえあれば自宅でも再現できるのも魅力だ。さて、東北にもご当地グルメが点在しているのだが、中でもその圧倒的な存在感で人々を虜にするのが「油麩丼」だ。

油麩とは、宮城県北部の登米地方に伝わる食材で、いわゆる揚げ麩。揚げているとは言えども、植物性油で揚げているため、比較的ヘルシーだ。一般的な油麩は、見た目がきつね色にこんがり焼け、フランスパンのような形をしている。輪切りにすると中はさっくりと白く、本当にフランスパンのような風貌である。この油麩を、登米地方では煮物や汁ものなど様々な料理に使用する。

油麩の調理法として市民権を得ているのが、今からご紹介する油麩丼だ。これはだし汁と油麩、卵を使った、「油麩の卵とじ」のようなもので、カツ丼のカツの代わりに油麩を使用したといった感じのもの。今回はこれを作ってみた。

まず、油麩は1cm程度の輪切りにしておく。一人前なら5〜6枚程度でOKだ。鍋にはだし汁を軽く沸騰させ、砂糖・しょうゆ・みりんを混ぜておこう。そこに油麩と長ネギを投入し、油麩に十分煮汁が染み込むように裏表する。ひと煮立ちしたところで溶き卵を回し入れ、トロリとしたところでごはんに乗せてできあがり。かなり簡単だ。

作っている最中どころか、油麩の袋を開けただけでフワンとお腹の空く香りがする。そのままかじりつきたい衝動をぐっとこらえ、だし汁・卵と油麩をコラボさせていく。出来上がったものは、遠目からみれば「ゆるめに作ったカツ丼」といった風合い。ひとくち口に運べば、カツ丼よりもあっさりとした、だがかなり食べ応えのある味と食感。油麩と卵の組み合わせが凶悪なほど素晴らしく、ぺろりと平らげてしまった。

簡単な上美味しいという、ある意味かなりの攻撃力を持ったこの油麩丼。登米地方にはお店でこの油麩丼を楽しめることも可能で、それぞれの店に秘伝のだし汁や使用する油麩の違いなどもあり、絶妙に味は違う模様。自分の味にちょっと飽きたら、プロの味を楽しみに行くのもよいだろう。

油麩丼の会
http://www.aburafudon.com/index.html

(Written by 澁澤すい)

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