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兵庫県美方郡香住。日本海に面し、松葉ガニで有名な港町だが、最近別な話題でも注目を集めている。餘部鉄橋が架け替え工事により、コンクリート橋への変貌を遂げようとしているのだ。鉄橋の場所はJR山陰本線の鎧駅と餘部駅の間。規模の大きな鉄橋で、山陰本線の名物的な位置づけだ。明治45年に完成してから今まで、約1世紀にわたり、人々に愛されてきた。現在、列車運行の安全性や定時性などの確保のためコンクリート橋への架け替え工事が進められており、新しい橋は平成22年度に完成予定だ。

消えゆく鉄橋は、ファンの心に郷愁をもたらす。歴史ある餘部鉄橋の雄姿を伝えようと、鉄橋のすぐ下の水産加工場だった建物を改修し、ギャラリー「虹と花の谷 余部」が開かれた。周囲の風景と共に織りなす餘部鉄橋のさまざまな写真のほか、餘部鉄橋の模型を組み込んだ模型列車コースなども展示されている。
さて、ここでもうひとつ目を引く品物が登場する。「餘部鉄橋の錆」。プラスチックの小ぶりな透明ケースに入った黒褐色のソレは、餘部鉄橋の「錆」そのものだ。10gほどの錆にリーフレットが付き、1個300円。鉄道ファンを中心に人気を集めており、遠方から郵送の申し込みがあったりもするという。

この地方特有の天候や、日本海からの潮風のため、鋼鉄の鉄橋はさびやすかった。昭和30年代から長期にわたる修繕工事があり、その際に、近隣住民が鋼材を譲り受けたという歴史がある。
現在発売されている「餘部鉄橋の錆」は、そのときの鋼鉄の一部だ。修繕工事から数十年を経て、さらにさびがすすんでいた。
この「餘部鉄橋の錆」の販売を考案したのは、ギャラリー「虹と花の谷 余部」の管理人、米澤照夫さん。間もなく姿を消してしまう餘部鉄橋の思い出に、鋼材の再利用を検討した。錆の販売は、「甲子園の砂」をイメージして思いついたという。兵庫県の方ならではのアイディアといえるかもしれない。この「錆」は、「餘部鉄橋のかたみわけ」というキャッチフレーズでファンの心を射止めている。
錆は、その経緯からして、明治時代のものの可能性も強い。筆者の手元にも1ケース分の鉄錆があるが、これに向かって「捨てられなくて良かったね」と語りかけたい気分になる。

ギャラリー「虹と花の谷 余部」
兵庫県美方郡香美町香住区余部1562
TEL:0796-34-0078

(Written by S.aureus)

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