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小学生の頃、音楽の授業で一番使った楽器といえば、やはりリコーダーだろう。「ソラシーラソ ソラシラソラー」と、友達と一緒に弾いたチャルメラを、思い出深く感じるのは僕だけですか?そのリコーダーは管楽器のひとつだが、世界最古の管楽器と言われる『ディジュリドゥー』を皆様はご存知でしょうか?
今回は、そのディジュリドゥーと口の擬音によってレコードのスクラッチ音やベース音などを再現する、ヒューマンビートボックスをミックスした、いわば今風の音楽を作り上げ、ライブを中心に活動されている、SMILYさんにインタビューしたいと思います。


—ディジュリドゥーと出会ったきっかけは?

21歳の時、外人とカッコイイバンドを組みたい。 という目的で、中学生からやっていたエレキギターを片手に、オーストラリアに留学しました。ですが、オーストラリアの空港に到着すると、飛行機に乗る時に預けたギターが折れて戻ってきたんです・・・ それはもう、途方に暮れましたね。 
そんな時、ディジュリドゥーを吹く日本人に出会いました。その音色に感動し、一本の一番安いディジュリドゥーを買ったんです。

—それは運命の出会いですね?
   ディジュリドゥーって、どんな風に演奏するんですか?


まず、肺からではなくほっぺたに空気を溜めて、吹き出す時の唇の振動を、ディジュリドゥーの筒の中に共鳴させて音を出します。その吹き込む強さや口の動きで音に変化をつけるんです。そして、鼻から息を吸いながら口から息を出すという、一見、不可能に思える、ディジュリドゥー独自の奏法、循環呼吸で演奏していく。
実際、これに挫折して辞めてしまう人が多いんですよね。決して簡単ではないですが、コツさえ掴めばすぐ出来ますよ。

—独学で学んだそうですが、どうやって練習したんですか?

留学中にお金が無くなったので(暴飲暴食のせいで無くなりました、しかも10キロ太りました・・) 路上演奏でお金を稼いでいたんです。その時に路上で演奏するアボリジニ(オーストラリア先住民)を真似てみたり、ギターのフレーズを弾く気持ちで吹いてみたりして・・・ まさに独学ですね。出会った全ての音楽が、自分の音に反映していると思います。

—海外で路上演奏するのって大変じゃないですか?

特に怖い思いとかっていうのはなかったですが、貧乏そうな格好の方が稼げるので、真冬でもタンクトップでした。
5時間以上吹く事もザラだったので、唇が吹き過ぎで膨れ上がって流血し、殴られたの? と聞かれたとこもあります。 帰国する頃には薄かった唇もたらこ唇になりました。(笑)

—世界最古の管楽器を今風にアレンジして演奏されていますが、その深意は?

人と同じ事をするのが凄く嫌で、民族楽器としてくくられてしまうディジュリドゥーという楽器を、僕は民族的な方向で表現したくないんです。あと、民族楽器好きな人は服装がエスニック。みたいな固定概念を取り除きたいですね。
それで、ビートボックスを取り入れ、ダンサブルな演奏だったりキャッチーな音楽をディジュリドゥーでやれるように心がけています。

—そこまでディジュリドゥーにこだわる理由や魅力は?

楽譜も無い自由な楽器だから、何をやってもそれが自分のスタイルになる。 基本的に音階がないから、シンプルだけど、そこがいいんです。
そんなシンプルで古くからある楽器だからこそ、自分のスタイルで型から抜け出せた時は凄く自由で楽しいです。

こう話してくれたSMILYさんは現在、所属バンドDINGO、ソロ活動、アーティストサポートという3つの形で演奏しているそう。
是非、世界最古とビートボックスをミックスした、SMILYというジャンルの音楽を体験してみてください!チャルメラを弾いていた時のような、自由な発想の自分に出会えるかも!?

SMILY-my space
http://www.myspace.com/smily1623

DINGO-my space
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendID=1001029327

(Written by 沢岡ヒロキ)

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