ゲームボーイは楽器です！北海道在住の若手アーティスト　うちのじゃんぷ

ギター、ベース、ドラム、ピアノ・・・
楽器は数々あれど、これだけ“遊べる”楽器は珍しいだろう。
初代ゲームボーイが発売されてちょうど２０年。現在、ゲームボーイの機械音を使った電子音楽が、ゲームマニアやテクノ好きを中心に話題になっている。
このゲームボーイ音楽で、北海道を中心に活動するアーティスト、うちのじゃんぷさんに話を伺った。

—ゲームボーイで曲作りを始めたきっかけは？

youtubeで、立派な大人がゲームボーイ片手に大暴れしている姿や、お客さんが楽しそうに踊る様子をたまたま見て、ワクワクしたのがきっかけです。「これ！やりたい！」と素直にそう思いました。
一年前くらいの事です。

—（そのyoutubeを見て）おお！すごいですね。かっこいい！
   ゲームボーイ演奏は世界で盛り上がっているの？

ヨーロッパではチップチューンという音楽ジャンルとしてかなり浸透し、盛り上がっているようです！
素晴らしいアーティストの方が沢山いらっしゃいますよ～。
特に僕が好きなのは、イギリスのSabrepulseさん。おすすめです！

—そのままボタンを押してゲームボーイ自体の音を出すだけでは、
   軽くて細い音しかでないと思いますが、
   どうやって演奏しているんですか？

まず、僕は一番太い音のでる、初代の大きいゲームボーイを使います。
それに、LSDjというソフトを入れて演奏するんです。
小さい電池駆動のミキサー（複数の音源を混ぜ、同時出力出来る様にする機械）からエファクター（音に効果を与える機械）に繋ぐと、簡単に言えばカラオケのエコーのように、音に広がりが出てきて随分楽しめます。

—本格的ですね！　それでも音は基本的に４つしかないですよね？　
   スカスカな音楽にならないコツはあるんですか？

はい。初めは昔の携帯着メロのようなさみしい音楽になってしまい、
圧みをつくるのに苦労しました。
僕の場合、音圧が欲しい所には音を１音１音早く押して、単音でも和音っぽい響きに聞こえるように工夫してみたり、わざとノイズの多い音を沢山使って音の隙間を埋めています。

—一年間活動をしてみて、反響はどうですか？

反響があるのは20代～40代のファイミコン、ゲームボーイ世代の方からが多いです。皆さん笑ってくれるんで、うれしいです。
ただ、街中で「じゃんぷ君！！」と大きな声で呼ばれると、少し恥ずかしいかったりするんですけどね。（笑）

—ゲームボーイの他に趣味はあるの？

もっぱら音楽です！ただ、妄想しながら聞いてますけど。

—妄想？？

普段音楽を聴く時も、自分がその音楽の作曲者と演奏者になりきるんです。部屋で一人、ヘッドフォンの音量を最大にして、ギター、ベース、ドラム、ボーカル、シンセをエアーで全力で行っています。
この音楽の聴き方は、札幌に出てくるまで、皆がやっている事だと思っていました。聞いてみるとほとんど誰もやってなくてびっくりしたんですけどね。（笑）

—しませんよ普通（笑）。今後の展望は？

いろいろな場所でもっともっとライブ活動をしていきたいです。
また、200枚限定ミニ音源アルバム「/200」（スラッシュニヒャク）というのが完成したので、もっと僕の音楽が広まればいいなと思っています。

—それでは、ご自由に一言！

ゲームボーイは楽器です！使ってみたい方は是非！
自由に楽しくピコピコしてください。楽しいですよ！

電子音楽というと、パソコンやシンセサイザーなどを多様に用いなければならず、高い技術が必要な敷居の高い音楽。という印象があった。
だが、このゲームボーイ音楽であれば、彼の言うとおり、自由にピコピコと楽しめそうだ。
音を楽しむ。その名の通り、ゲームボーイで自由に遊んでみては？

うちのじゃんぷ　マイスペース
http://www.myspace.com/kanokajump

（Written by 沢岡ヒロキ）

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