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冬の夜は空気が冷たく、天体ファンにとってはもってこいのシーズンだ。空が澄み渡り、キラキラと輝く星の光を見ることができる。暇を見つけて天体観測に赴く方もいるのではないだろうか。そんな天体ファンにおすすめの観光スポットを紹介しよう。

岩手県の有名観光地、小岩井農場。のどかな雰囲気で、のんびりとした時間の流れる、定番観光スポットだ。今回はその小岩井農場まきば園にある「まきばの天文館」に注目しよう。

まきばの天文館は、園内でも一番の絶景スポット。そこから眺める空もまた美しい。周辺に電灯などがあまり設置されていないため、満天の星を楽しめるのだ。さらに館内には大型望遠鏡も設置されており、月のクレーターを観察することも可能だ。それだけではない。この「まきばの天文館」のすごいところは、なんと「空気望遠鏡」が設置されているということ。

空気望遠鏡とは、現在の望遠鏡の祖というべきもの。凸レンズ二枚を使用して天体観察をしていた当時は、レンズの性能があまりよくなかったため、高い倍率できれいに観察するためにはレンズの焦点距離を長くする必要があったとのこと。長大な望遠鏡に筒をつけると相当な重量になるため、筒をなくし、レンズを空気にさらした「空気望遠鏡」が作られたようだ。このようなタイプの望遠鏡は18世紀まで活躍したらしい。

まきばの天文館では、この空気望遠鏡の復元プロジェクトが取り組まれている。全長21mという大規模な空気望遠鏡の復元は世界的にもほとんど例を見ないことだという。まさに世界最大の空気望遠鏡と言っても過言ではない。普段は解体され、天文館の室内に展示されている。

平成20年から、毎年8〜9月に観察会が開催されており、岩手大学天文部の学生を始め多くの人が参加する。そびえ立つ支柱と骨組み、それを支える麻の紐、絞り板と呼ばれる穴のあいたたくさんの板・・・初めて見る人にとっては、「これが望遠鏡?」と首をかしげたくなるような見た目だが、この望遠鏡で月を200倍で観察することができるのだ。

夜空に広がるファンタジー。それだけではなく、時を超えた技術を目の当たりにし、先人の知恵の素晴らしさも感じることができる。そんな体験ができるのも、日本ではまきばの天文館だけなのではないだろうか。

(Written by 澁澤すい)

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