20100303_01
前編:人口5人、沈みゆく島を訪ねる 〜後編〜

20100303_02新島の港から5分も歩くと「桜峰小学校新島分校」跡に到着した。開校は明治33年、記録が残っている中では昭和38年に36名の子どもたちが通っていたというのが最高だ。昭和43年にこのコンクリート造りの校舎が新築されたが、わずか4年後の昭和47年3月でついに児童数が0となり廃校となっている。かつて運動場だった場所は人の背丈を超えるほど草が伸び放題で荒れ果て、割れたガラス窓から中をのぞくと、子ども用の小さな椅子や机、黒板など当時の教室はそのままの状態で残されていた。

小学校跡のすぐ隣には桜島にある神社の分社である五社神社や、住宅が建っていた跡をつなぐ路地、今でも花が手向けられている墓地など、確かに多くの人が住んでいた面影を感じられた。

20100303_03小学校跡を出て、一度港方向へ戻り、次は島の最南端へと移動。そこには桜島や大隅半島を見渡せる軽石の砂浜が広がっていた。島の周囲は浸食を防ぐためにテトラポットが張り巡らされているので、この砂浜は気軽に海に降りられる唯一の場所。海水浴場ではないのだが打ち上げられた軽石や貝殻を拾ったりしながら浜辺でまったりと過ごすには最高の場所だ。また近くにはこの島が海底から隆起したことがひと目でわかる貝の化石を含んだ地層を見られる崖もあった。

小一時間ほど島の探検を楽しんだ後は港に戻り、参加者は思い思いの場所で用意されたお弁当を食べたり写真を撮ったりして寛ぎ、ふたたび船に乗り込んで新島を後にしたのだった。

今回の新島訪問は桜島を様々な角度から体験することを目的としたイベントの一環として実現できたものだが、参加者からは「是非また訪れたい」「今度は釣りもしてみたい」など再来訪を希望する声も多く上がっていた。
普段は島民が静かに暮らす島なので、民家の近くでは騒がない、自分たちが持ち込んだゴミは必ず持ち帰るなどマナーは守って、錦江湾で唯一の有人島・新島の魅力に触れてみてはどうだろう。

(Written by おばらけいこ)

NPO法人桜島ミュージアム
http://www.sakurajima.gr.jp/

クイーンズしろやま
http://www5.synapse.ne.jp/sym/

新島への行政連絡船問合せ先
鹿児島市役所 交通政策課
TEL:099-216-1112

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