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東北とはいえ、盆地ゆえに夏は猛暑となる日本海側の県・山形。その暑さのためか、独特の「冷やし」文化が根付いているらしいが、食べ物にとどまらず、あんなモノまで冷やしているというのだ。

夏の暑さを紛らわせるため、山形にはいくつもの冷たい食べ物がある。本来ひんやりしているスイカなどの果物の産出が多いこともあるのだが、たとえば「冷やしラーメン」「冷やし肉そば」など、基本的に暖かい状態で食べるものも冷やしている。涼しさを感じるために、いくつもの工夫がされているようだ。

さて、冒頭に書いた「あんなモノ」とは、なんとシャンプー。山形では「冷やしシャンプー」なるものがあるというのだ。

シャンプーを冷やし?と頭に疑問符が着きそうな商品名だが、正真正銘「冷やしシャンプー」という名称で販売されている。爽やかな青いラベルが特徴の215mlのボトルが2本セットで2100円と少々高価だが、一度使用するとクセになってしまいそうだ。というのも、このシャンプーの成分にはメントールやハッカ油など「スースーする」成分が含まれており、頭皮に清涼感を与えてくれるという。ただでさえ汗でベタベタする夏に使用するにはもってこいである。

もともとこの「冷やしシャンプー」は、1990年代後半に山形市内の理髪店にて、ふつうのシャンプーを冷蔵庫で冷え冷えにしてから、お客さんの頭に豪快にぶっ掛けて使用するという「クールシャンプー」なるサービスを始めたことが起源だという。このクールシャンプーが、冷やし○○という他の商品のネーミングに従って、2005年頃から冷やしシャンプーと呼ばれるようになったとのこと。
その「冷やしシャンプー」は今や山形県内に広がり、なんと300店舗もの理髪店で実施されているというのだ。その中には、シャンプーの際にかき氷をしようしたり、シャンプーを金魚鉢やとっくりに入れて冷やす例もあるらしく、各店で工夫が凝らされている。

余談だが、アーティストの「FLOW」もこの冷やしシャンプーのファンであるらしく、FLOWファンにも広く受け入れられているようだ。

地域の気候にぴったりのサービスとそのネーミングのおもしろさから、様々なメディアに取り上げられている「冷やしシャンプー」。猛暑となる他の地域でも見られるようになるかも?

(Written by 澁澤すい)
(Photo by emrank

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