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北海道・釧網(せんもう)本線。東釧路駅と網走駅を結ぶローカル線だ。この線では湿原や森林、オホーツク海など、さまざまな風景を楽しむことができる。寒い季節には、雪の湿原、樹氷、流氷といった、夢のような世界が車窓に広がることになる。
知床斜里を過ぎて網走に向かうあたりは、オホーツク海に沿って走るので、旅人の目は海岸線にくぎ付けになるが、もうひとつの魅力と言えば、郷愁を誘う駅舎だろう。海沿いの木造の小さな無人駅・・・・・、これだけでも十分旅人の心に響くのだが、ふと停まった駅舎にランプの灯りのともるのを見つけたら、たまらず降りてみたくなってしまうかもしれない。

北浜駅はオホーツク海にいちばん近い駅だ。この駅舎には、軽食&喫茶「停車場」がある。軽食&喫茶といっても、メニューはコーヒーやラーメン、カレー、パスタなどのほか、フランス料理(フランス料理は予約制)も。木造の建物を生かしたほの暗い店内には、古い鞄なども飾られ、なんとも風情がある。こじんまりとした店内に静かな音楽が流れ、窓からはオホーツクの海……。

北浜駅は古い歴史を持つ駅だが、約25年前に無人化された。駅舎のレストランは無人化の後に開かれたもので、その後地元客や旅人に愛され、今に至っている。カウンターの脇にさりげなく置かれたお土産の絵はがきが、この駅の歴史を物語ってくれる。

オホーツク海沿いには、ほかにもいくつかの駅で温かい料理を味わうことができる。止別(やむべつ)駅内のラーメン喫茶「えきばしゃ」では「ツーラーメン」(具が二種類なのでツーラーメン。白髪ネギとチャーシュー。)が有名だし、藻琴(もこと)駅の軽食&喫茶「トロッコ」では「酪農ラーメン」などが食べられる。少し大きめで新しい浜小清水駅の構内にも「汽車ポッポ」という店が。

駅舎のレストランは、旅人にとってたまらない魅力があり、灯りに誘われてふっと降りてみたくなるが、くれぐれも計画的に。一日の運行本数の少ない線なので、時刻表をしっかり確認してからにしよう。

(Written by S.aureus)

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