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北海道釧路といえば、多くの人の頭に真っ先に浮かぶのは、なんといっても魚介類ではないだろうか? 釧路の味といえば、海の幸にかぎる? いやいや!?

釧路っ子たちのソウルフードといえば、「スパカツ」なのである。「スパカツ」という名のほか、「カツスパ」や「ミートスパカツ」など、いくつかの呼び名があるが、指し示す食品のイメージはどれもピタリと一致。スパゲティの上にトンカツが乗り、ミートソースがかけられ、鉄板プレートで出されるというもの。アツアツでじゅうじゅう。大盛りもあるが、普通盛りでも概してボリュームたっぷりなものだ。ちなみに写真は普通盛りのスパカツ。ナプキンペーパーと比較すると大きさがわかる!


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これがなぜ釧路っ子のソウルフードなのかは、食べてみれば納得いくかもしれない。太めでやわらかめのスパゲティにトンカツ、そして濃厚なミートソースは、どれも昔ながらのごちそうだった。名前からはB級グルメを想像されるが、思いのほか美味であり、トンカツとミートソースが決して無分別に合わせられたものではないのである。しかも、鉄板。テーブルに置かれたときにはじゅうじゅうと音を立て、ソースが跳ね返り、勢いのよいことといったらない! スパゲティの端はカリカリになり、ふつうのパスタでは味わえない野性味すら感じられる。そう、鉄板プレートは、熱くて冷めにくいのである。かなりのボリュームと濃厚な味なので、完食までに時間のかかる人も多いが、ゆっくり食べても熱いまま。これが釧路っ子の胸を揺さぶったのではないだろうか。
実際、釧路市内のレストランに入ると、多くの客はスパカツを注文していたし、「子供のころから食べた味」として懐かしむ声も多い。スパカツは、とにかく懐かしくて熱い料理なのである。
懐かしいといえば、この麺を、誰も「パスタ」とは言わない。あくまでも「スパゲティ」、略して「スパ」なのである。

(Written by S.aureus)


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