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厳しいエアライン情勢下で、機内サービスが有料となりつつある今日この頃。サービスが無料のうちに、是非試してみたい事があった。

機内特別食とは一体どんなものなのか? 

そこで乗る予定だったフライトで、日本人に一番縁遠そうな「kosher meal(コシャーミール=ユダヤ教徒食)」を頼んでみる事にした。なんでも、ユダヤ教の食事規定に沿って調理された後、祈祷、封印して供されるそうで、客室乗務員が最も取り扱いに気を使う食事、との事だ。

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搭乗して一番に運ばれてきた機内食は、きっちり封がされた上にサランラップで三重包装され、他の物とは明らかに様子が違う。開封にかなり苦労したが、これは教義で「穢れ」と指定されている食品や、食べてもよい食品であっても、正規の手順を踏まえて調理されていない物が混入しないように、という配慮からだそうだ。

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そして機内食にはシールが貼られていて、メニューに含まれる食品の詳細が書かれている。それによるとこの食事は、専門のケータリング会社で一番厳しい教義の基準に沿って作られた、冷凍食品らしい。料理に含まれる油分は全て植物性で、道理でパンやケーキ、コーヒーフレッシュといった乳製品が使われていそうな物は、あっさりとしているわけだ。
これは乳製品と肉を一緒に食べない、という戒律からメイン料理に肉と魚、どちらになっても対応できるようにという配慮からだろう。
食べてみた感想は…有事の際を想定し、カロリー高めで作られた普通の機内食より、あっさりしていて美味しかった。


実際のところ、ユダヤ教の規律に沿ってどこまで食事制限をするかはその人それぞれで、実際はかなり自由らしい。
が、各国の料理に囲まれ、飽食に明け暮れる日本人は宗教に無関心な民族なのだなぁ、と改めて思わされた。

ちょっとした好奇心で頼んだ特別機内食だが、色んな事に気づかされた。
貴方も一度、試してみてはいかがだろうか?

(Written by 為平千寿香)


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