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夏のスイーツと言えば、ヒンヤリ冷たいアイスクリームやカキ氷、冷やした果物、ゼリーにプリンなどが定番。だが、ただでさえ本州よりも暑いイメージのある沖縄、そこではなんと夏の「ぜんざい」が人気だと言う。一体どういうことなのだろう…

ところで「ぜんざい」と言えば、私たちが思い浮かべるのは、甘くてトローリ、小豆とお餅の入った、ホッカホカのアレ。当然、美味しいけれど夏には不向きのあったかスイーツである。ところが、沖縄で「ぜんざい」を頼むと、全く別のものが出てきてしまうのだ。

沖縄の飲食店で「ぜんざい1つ」と頼むと、目の前に出てきたのは…なんとカキ氷?いや、それもただのカキ氷ではない。ふわふわの氷の下には、黒糖で煮た金時豆や白玉がトピングされている。これが沖縄風のぜんざいだ。

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煮汁も一緒に乗せられているので、氷と煮汁の合わさったところが、和風の甘さでなんともうまそうだ。煮汁の染みた氷と白玉の組み合わせも、独特で面白い。この沖縄風ぜんざいは、沖縄ではかなりポピュラー。家庭でも、金時豆の代わりに小豆を使用し、おやつに出ることもあるとのこと。

この「ぜんざい」、様々なトッピングで楽しまれている。例えば黒蜜やきなこをかけたものや、イチゴシロップをかけたもの、コンデンスミルクをかけたものなど多種にわたる。またトッピングによって呼ばれ方も多少変わるようで、シロップをかけたものを「金時」、コンデンスミルクの場合は「しろくま」と呼ばれるのだそう。

大手コミュニティサイト「mixi」にも、沖縄風ぜんざいを愛する人たちのコミュニティがあり、ぜんざいの魅力に取り付かれた人々の集まる場となっている。「これが普通のぜんざいだと思ってた」「温かいぜんざいなんて外道!」と言うくらい、もはや沖縄県民にとっては当たり前のものらしい。

沖縄風ぜんざいと温かいぜんざいの違いのひとつに、食べるシーンの違いがある。温かいぜんざいは、普通屋外ではなく屋内で、のんびりとしたシチュエーションで食べることが多い。だが沖縄風ぜんざいは、海や部活帰りなど屋外で、まるでアイスを食べるような感覚で食べるのだそう。私たちにとっての温かいぜんざいのポジションより、沖縄県民にとっての沖縄風ぜんざいのポジションのほうが、より日常生活に組み込まれたものであるようだ。

この夏は、いつものカキ氷を沖縄風にアレンジして、暑さを乗り切ってみるのもいいかもしれない。

※写真のぜんざいは、沖縄の氷ぜんざい専門店「富士家」で食べられる「富士家ぜんざい」。
富士家ぜんざいは、金時豆のみを甘く煮て、そのときに出来る煮汁を製氷しているのため、実際の「沖縄ぜんざい」とは違い氷自体が淡い豆色をしているのだとか。

(Written by 澁澤すい)


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