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真夏の夜といえば「怪談」。日本古来の怪談では、いろいろな幽霊や妖怪たちを主役に、多くの映画やテレビドラマ、小説、落語(怪談噺)などが作られてきた。

さて、そんな妖怪たちでなんと“町おこし”をしようとがんばっている商店街がある。京都の北野天満宮にほど近い「大将軍商店街」(京都市上京区)だ。

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この商店街がある一条通には、古くなって捨てられた道具類が妖怪(付喪神)に化けて、一条通りを行進したという『百鬼夜行』の伝説がある。商店街では一条通りを「妖怪ストリート」と銘打ってさまざまな活動を行っている。

たとえば、商店街の店舗前に立つ、とてもユニークな妖怪たち。
器物の妖怪である付喪神を題材にして、魚屋なら魚のような妖怪、洋品店ならアロハシャツを着た妖怪、さらにはパン屋の「食パンじじい」など、どれも1点1点お店のこだわりを感じる。しかも手作り感いっぱいで、エコやリサイクルの重要性も訴えながらどこかかわいげもあってみて回るととても楽しい。
(※“妖怪コレクション”は後ほど!)

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また、妖怪ストリートの名物グルメ「妖怪ラーメン」(750円)。
1つ目小僧が目印のお店「お食事処いのうえ」で食べることができる。いざ注文して運ばれてきたのを見てビックリ、いかにも地獄っぽい。青紫色の麺、ドス黒いスープ、黒いきくらげやシイタケにゆで卵(実はピータン)、さらに全体にかかる真っ赤な粉(唐辛子でなくパプリカ)までこだわり度満点。
そして味はというと、見かけとはまったく違って意外とあっさりめで美味しかった。

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さらに近くのコロッケ屋では「妖怪コロッケ」(130円)も。こちらも漆黒の衣(竹炭)に中身は緑色(抹茶)。パッと見た感じは妖怪テイストでも、抹茶で和菓子のような上品な味わい、しかもヘルシーさがうれしい。

妖怪ストリートではほかにも、5月に日本全国の妖怪グッズが集まる「妖怪フリーマーケット」、夏は最寄りの京福・北野白梅町駅から「妖怪ラッピング電車」が走り、10月には近隣の学生たちが妖怪にふんして「百鬼夜行」を再現する大行列をするなど、全国随一の「妖怪」の街としてアピールしようとしている。

世界的に有名な寺社仏閣を巡るのもいいが、夏らしいこんなユニークな京都観光もぜひいかがだろうか。


【妖怪コレクション〜こんな妖怪たちに逢える!〜】
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≪山わらし≫

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≪食パンじじい≫

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≪一つ目小僧≫

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≪ワニ人間≫

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≪ココちゃん≫

(Written by飾磨亜紀 Aki Shikama)

大将軍商店街 妖怪ストリート
http://www.kyotohyakki.com/


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