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「なんだこれっ!?」
とビックリしたのが、最初にこの魚図鑑を目にした時の印象だ。
どこか未来的であり、逆にとても古い時代の図鑑にも思える。
じっくり見ていくと、魚たちが、これはさすがにありえないだろっ!というような色彩や柄である事に気付いた。そしてよく調べると、『キャノンデジタルクリエーターズコンテスト グランプリ受賞』とある。この図鑑は紛れもなく芸術作品のようだ。アーティスト名は鳩川亮平さん。どんな発想でこれを創ったのだろう? 気になった僕は、お話を伺う事にした。

−− まず、最初に絵を始めたきっかけは?
幼い頃から絵を描いています。子供の頃は普通にヒーローが好きな男の子だったのですが、色んなヒーローが好きで、キャラクターの好きな部分だけを寄せ集めて一体のキャラクターを創り、絵に描いていたんです。
絵は自由に自分の贅沢を表現できるし、綺麗にも汚くもできる。とにかく好き放題。そこが気に入ったんですね。

−− 魚だけでなく昆虫の図鑑も創っていらっしゃいますが、このような図鑑風のアートを始めたきっかけは?
創り始めたきっかけは自分でもよくわかりません。普段はサラリーマンをしていますが、仕事が忙しくなったり切羽詰った状態の時、「フッ」と頭にアイデアが浮かんできたんです。僕にとっての創作とは、むしろアートから一歩離れた状況で突然湧き出てくるものなんですよね。

−− とてもリアルで、かつ、アーティスティックな図鑑ですが、どの様にデザインしているんですか?
実在する魚や昆虫の写真に、フォトショップを使い、その時の感情のまま落書き感覚で柄をのせていきます。魚や昆虫には申し訳ないですが、半分イタズラをしているって感じですね。それでこのような新しいキャラクターを作成しているんです。

−− どんな風に観賞を楽しんで欲しいと思いますか?
それはもちろん、ご覧になって頂いた方の自由ですが、図鑑のキャラクターでどうこうと言うよりも、ボーっと眺める感じで観てもらうのが僕の狙いです。例えば、部屋の掃除をしている時、突然昔のアルバムが出てきて、ついつい片付けを忘れ、夕方までのんびり写真を眺めてしまう。そういう事、よくあるじゃないですか? 僕の図鑑でそんな感覚になって頂ければと思っています。

−− 輝かしい賞も受賞されて、今後の展望はあるんですか?
まったく考えていません。でも確かに、絵を本業にしていければ一番いいし、自分らしい人生だとは思いますけどね。でもわからないんです。どうしたらお金になるのか、絵をビジネスにできるのか。結局、イタズラ心だけで創っているので、出来上がった時の喜びや楽しんでもらえた感動で、満足してしまっているのかもしれませんね。

人を驚かせたい。喜ばせたい。子供の頃、誰にでも溢れていたそんな気持ちで創られているからこそ、この作品は僕をビックリさせたのだろう。この図鑑を作るには年単位の時間が掛かるそうだが、是非、ゆっくりボーっと活躍を応援していきたいアーティストだ。

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鳩川亮平オフィシャルサイト
http://www.ultra-collection.com/

twitter
http://twitter.com/hatokawa

(Written by 沢岡ヒロキ)

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