夏祭りの縁日などで定番の「金魚すくい」に全国大会があると先日この「Nicheee!」で紹介した(金魚をすくってハワイをねらえ!8月22日開催 http://www.nicheee.com/archives/1418935.html)。
その全国大会が奈良県大和郡山市で今年も開催され、現地まで足を運んだその大会の模様をレポートする。

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JR郡山駅からシャトルバスに乗って揺られること約20分、大会の会場である「金魚スクエア」(大和郡山市総合公園施設多目的体育館)に到着した。すでに会場には、出場者と見物者らでたくさんの人々が集まっていて、屋内で冷房が効いているはずなのにものすごい熱気に包まれていた。

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今年で16回目を迎える全国大会。
北は北海道から南は宮崎県まで、全国各地の予選会を勝ち上がったり抽選で選ばれたりした約1,900人参加した。部門は個人戦の「一般の部」と「小・中学生の部」、そして3人1組の合計数で競う「団体の部」の3つ。朝9時半ごろから予選が始まった。

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競技の様子を見ていると、一般に想像する金魚すくいとはまったく違う。“3分以内でいかに多くの金魚をすくえるか”を競うわけだが、まるでスポーツさながら。
約1000匹の「和金」という種類の金魚が入った水槽から「ポイ」を使って金魚をすくっていく。実は競技の前に“勝負の分かれ目”ともいえるこのポイを選ぶ時から真剣そのもの。金魚をすくううちにポイの端が破れても残っている範囲で上手にまたすくっていくからすごい。
ルール面でも、今年から「壁すくい禁止」「体育館(スポーツ)シューズ着用」などが義務付けられてまさに「スポーツとしての金魚すくい」なのだ。

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それでもまだ予選は、金魚のかぶり物やおそろいの金魚Tシャツを着た参加者たちをはじめ、市観光協会の「女王卑弥呼」を務める女性たちやテレビ朝日のバラエティ番組『ナニコレ珍百景』に出演するメンバーらも参加するなどほのぼのとした光景も見られた。
また、会場外では誰でも体験できる金魚すくいコーナーやご当地グルメの屋台なども並び、平城遷都1300年祭のキャラクター「せんとくん」まで登場した。

だが、準決勝そして決勝と駒を進めて行くうちにまさに“強者”たちばかりが勝ち上がり、各部門優勝者に贈られる「ハワイ旅行」を目指したし烈な戦いが繰り広げられた。

決勝では、個人が上位50人、団体では上位24組による戦いとなった。ここまでくると選手たちの「ポイさばき」も見事で、3分の制限時間でどんどん金魚をすくっていく。ポイを握る手だけでなく、まさに体全体を使って金魚をすくっている感じがした。

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優勝したのは、「一般の部」では、大和郡山市在住の上村誠一さん(31)が4年ぶり2度目、今大会最多賞となる57匹をすくって栄冠を勝ち取った。また「小・中学生の部」では、静岡県から参加した鈴木悠太郎さん(15)が50匹すくって大会2連覇。
さらに「団体の部」では大和郡山市にある“金魚すくい道場”「こちくや3」が大会記録の128匹を大きく上回る156匹をすくって3連覇をなし遂げた。


(Written by 飾磨亜紀 Aki Shikama)

全国金魚すくい選手権大会(大和郡山市)
http://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/kingyo/


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