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こんにゃくといえば、ねずみ色や透けるような白が思い浮かぶ。
しかし、滋賀県近江八幡に住む人々にとっては、こんにゃくと言えば赤!冠婚葬祭から普段使いまで、インパクトのある真っ赤なこんにゃくが、昔から親しまれている。通称『赤こん』だ。

近江八幡といえば毎年3月中旬に開催される「左義長まつり」が有名。織田信長が赤の長襦袢をまとい、踊り狂ったと伝えられる天下の奇祭だ。
この火祭では町の若い衆が女装し、その年の干支にちなんだ山車には、炎を象徴する無数の赤紙を飾ったそうだ。
山車は町内を練り歩き、無病息災を祈願した。この祭礼にヒントをえて作られたといわれるのが近江八幡の「赤こんにゃく」だ。

こんにゃくには栄養がないと思われがちだが、カルシウムは牛乳に匹敵するほど。
食物繊維もたっぷりだ。さらに「赤こんにゃく」には独特の色味を出すため、三二酸化鉄という食品添加物が含まれており鉄分も摂ることができる。
ノンカロリーなのでダイエットの味方にもなる。

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近江八幡市にある、創業明治24年の老舗「乃利松食品 吉井商店」の吉井代表にお話を伺ったところ「赤こんにゃく」は味がしみやすいのが特徴だそう。
地元の人々は煮物に使うことが多いとか。地元、近江八幡以外にも「酒の肴にピッタリ」「色がきれいで炊き込みご飯にも合います」と、ファンは多く、全国各地に発送しているそうだ。
観光客に特に人気があるのは、火を通さずにすぐに食べられる「味付 八幡こんにゃく」や、たらのすり身にくるんで揚げた「こんにゃくかくれん棒」。
また、「乃利松食品 吉井商店」でしか扱っていない「赤いとこんにゃく」は某航空会社の機内食として採用されたこともあるそうだ。

ヘルシーで美味しいだけでなく、彩り鮮やかで料理のアクセントにもなる「赤こんにゃく」。
是非一度、お試しあれ。


乃利松食品 吉井商店
http://www.norimatu.com/index.html

(Written by 石川陽那)


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