2010127_01
ハロウィンの季節がやってきた。トレードマークのかぼちゃや、こうもりの飾りつけを街中で見かける人も多いのでは。
さて、ハロウィンといえば欧米の民族行事として知られているが日本にも「和製ハロウィン」といえる風習があるのはご存知だろうか?
愛知、奈良、三重県四日市など、一部地域で行われている「お月見どろぼう」だ。
ハロウィンは10月31日に開催されているが「お月見どろぼう」は中秋の名月に行われる。
その昔、お月見のために作られたお団子を子どもたちがこっそり盗んでも許される日、として始まったのだそう。
家々では萩やススキを飾り、蒸かしたさつまいもや、お月見団子、果物などを用意して子どもたちを待っていたのだとか。
 
現在ではハロウィンのような仮装こそしていないものの「お月見どろぼうで〜す」、「お月見くださ〜い」と言いながら子どもたちが近所を周り、お菓子をもらう風習として残っている。
「Trick or treat.(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ)」と言いながら近所からお菓子を集めるのハロウィンと、やっぱり似ている。
 
子どもをめぐる事件がニュースを騒がせる近年では、開催にあたって安全やマナーを配慮する地域も少なくない。
昼間の明るい時間帯に変更したり中止にしたりと様々なようだ。
 
開催を続けている三重県四日市のある地域のスーパーでは「お月見どろぼう」のコーナーを設置。子供たちのために駄菓子を大人買いする利用客も多いのだとか。
また、「お月見どろぼう」がさかんな住宅街の通りでは30〜50個もお菓子を集める子どもたちもいるのだそう。
ママと一緒のよちよち歩きの赤ちゃんから中学生まで、お月見どろぼうが地域を回る。
ご近所づきあいが少なくなり、物騒な事件も多い時代に残る和製ハロウィン。
なんとも心温まる風習ではないだろうか?これからも続いて欲しいものである。
 
(Written by 石川陽那)
(Photo by davedehetre)


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