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和菓子といえば、わらび餅やみたらし団子、大福、おはぎなどがまず“定番”として思い浮かぶ。

だが、そんな和菓子の枠からまるで飛び出したかのように次々と新たな和菓子を開発しては販売してヒットし続けている和菓子店がある。
大阪・羽曳野と富田林に「和菓子工房 あん庵」をかまえる松田明さんだ。

実は松田さん、かつてテレビ東京の番組『TVチャンピオン』の全国和菓子職人選手権で2度優勝し、また4年に1度のグルメの祭典『食博覧会』では工芸菓子コンクールで総務大臣賞を受賞するなどの輝かしい経歴を持つ。

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いざ店を訪ねると、定番の和菓子とともに「カフェオレ大福」、「和葛シュー」など見たことがないような商品が並ぶ。
さらに最近は地元の素材を生かしたり歴史をイメージしたりして開発した「南河内銘菓シリーズ」に力を入れている。
 
お店のある大阪府南部は、世界一の面積を誇る堺市の仁徳天皇陵は含む大型古墳が点在し、ほかにも、日本神話の英雄である日本武尊(あまとたけるのみこと)の墓といわれる白鳥陵、聖徳太子ゆかりの太子町、大阪から当時の都・飛鳥エリアまでを結ぶ竹内街道は“日本最古の官道(国道)”などがある。
 
松田さんは、大学を卒業して会社員を経て25歳で和菓子店で修業を始めて7年後、2002年にこの店をオープンした。
だが当時、1人で仕込から接客、チラシ配りなどをこなすハードな生活が続く中、大阪で和菓子職人が集まる研究会で「TVチャンピオンに出てみないか」と、積極的に参加していた松田さんを推薦してくれた人がいた。

「お店がまだ軌道に乗っていなかった時期でしたけど、店のいい宣伝にもなるかなと思い、自分の力も試そうと意気込んで出場したら優勝してしまいました」
その直後からたくさんのお客さんが訪れるようになり、1年半後にもう一度出場した時も優勝。
さらに遠方から来る人もいるほどの人気店になったという。だがそんな松田さんにターニングポイントが訪れたのは、お客さんとの何気ない会話からだった。
 
「和菓子をとてもおいしいと言ってくれていつも来てくれるお客さんだったんですけど、ふと『なんかふつうの和菓子ばかりで、地元の特色みたいなのがないね』と。よく考えたら、自分はここ(羽曳野市)で生まれ育ちましたから、地元の素材を生かしたり、古い歴史をルーツにした新しい和菓子づくりに取り組み始めたんです」

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この中から誕生したシリーズが「南河内銘菓シリーズ」。
現在、第5弾まで販売されており、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている富田林・寺内町にある道をイメージした「あてまげの辻」など。
さらに、太子町にルーツがある歴史人物、小野妹子にちなんだキャラクター・いもこねこを応援する「いもこロール」もあり、このいもこロールは10月23日、24日に滋賀・彦根で開かれる「ゆるキャラ(R)まつり in 彦根」にも出展された。
 
まさに“創作和菓子”ともいえる松田さんの手によるユニークな和菓子の数々。「まだまだ南大阪にはええもんがたくさんあるんでチャレンジしていきたいです。また、古くからあるもんだけじゃなく、地元の大学と連携して作る和菓子とか僕たちが新しい歴史を作っていければいいですね」と、今後についても語ってくれた。
またどんな新しい和菓子が生まれるのか楽しみだ。
 
なお、和菓子あん庵では、今のところホームページ上からの通信販売は行っていない。
だが、松田さんいわく「もし興味がある人は、店のほうまで連絡してください」とのこと。どうしても遠方だが食べてみたいと思ったら、一度連絡してみることをおすすめする。
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(Written by 飾磨亜紀 Aki Shikama)
 
和菓子工房 あん庵


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