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「鬼は外!福は内!」というかけ声と共に、豆をまいて鬼を追い払う“節分”は、奈良時代から始まったという伝統がある日本の行事だ。
もっとも一時期は同月に行われるバレンタインに押され、すっかり廃れた感があった。
しかし、最近は恵方巻の定着と、長引く不況で“鬼を追い払いたい”という願望が強まっているのか、盛り返してきているそうだ。

もちろん、ネットでも節分関連の記事で盛り上がっている。そこでサイトでも節分にちなんだコミックを紹介したいと思う。それが『陰陽師』(著:夢枕貘/画:岡野玲子)だ。

1990年代後半から大ブームを巻き起こし、テレビドラマや映画にもなった作品だから、ご存知の方も多いだろう。だが、忘れた方や知らない方のために、簡単な説明をしておく。
まず舞台となるのは平安時代。主人公である陰陽師・安倍清明と、その親友の源博雅が遭遇する怪異を主軸に物語りは進められる。
全編を通じて、よく“鬼”が登場するのだが、今回は3巻に収録された『鬼やらい』にスポットを当てたいと思う。

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『鬼やらい』はずばり“節分”がテーマになっており、その由来や作法が丁寧に描かれている。もし説明文だけを読んだから、きっと眠くなってしまうことだろうが、安倍清明と源博雅との小気味よい会話の中で語られると、スラスラと頭に入ってくる。
 
もちろん、「平安時代の文化や風習を知ろう」なんて堅苦しい考えはわきに置いて、純粋に優れた作品として楽しんでもいい。
原作者である夢枕貘が「原作を越えた」と絶賛した、岡野玲子が描く恐ろしくも美しい跋扈する平安絵巻には、誰しもが圧倒されることだろう。

なお、いったんは13巻で完結した同作だが、2010年12月28日発売の『メロディ2月号』から『陰陽師玉手匣』として新たに連載が開始された。
ご存知がない方はもちろん、既読の方もこの機会に新作と合わせて読み返してみてはいかがだろうか?

(Written by 伊藤清美)


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