20110330_01
「働かないでお金が入ってきたらな〜」
これは誰もが一度は口にしながら、結局は笑い話で終わってしまう言葉。

しかし、実行に移した人物がいる。それが漫画家・東條さち子で、その悪戦苦闘ぶりを描いたのが『主婦でも大家さん 頭金100万円でアパートまるごと買う方法』なのだ。

タイトルを見れば一目瞭然だが、著者が目指したのはアパート経営。大家になって家賃収入で暮らしていこうと考えたのだ。
不動産経営を目指すこと自体は珍しくないが、驚くべきは著者には資産も知識もなかったこと。
たとえば、最初の段階で所経費を100万と見積もるが、実際には倍以上かかってしまう。
さらに、アパート購入後も借り手がなくて赤字が続いたり、やっと入った店子に家賃を滞納された挙げ句に夜逃げされたりと、少し知識があれば回避できることで失敗しまくる。

それでも、なんとか一棟目の経営が軌道に乗った頃、超格安物件を見つけたことで、再び著者は地獄を見ることになる。
まず出だしから最悪で一棟目の時には、それなりにあった資金が今回は頭金100万円のみ! 残りはすべて金融期間からの借金でまかなおうというのだ。

さすがに、著者だけならここまで無茶はしなかったろう。しかし、良くも悪くも一棟目の成功実績があったため、業者によって話しがどんどん進められてしまうのだ。

他にも金融機関や悪徳ペンキ業者、役所との攻防など、他の不動産経営入門書では読むことができない苦労の数々が具体的な数字と共に描かれている。もし、これから不動産経営を考えている方は、目を通して損はないだろう。

もちろん、純粋にエッセイコミックとしても楽しむことができるから、不動産経営には興味がない方にもオススメだ。
 
(Written by 伊藤清美)


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