オスカル、マリー・アントワネット、フェルゼン・・・フランス革命の動乱を舞台に描かれた長編マンガ『ベルサイユのばら』。発表から40年あまりの時を経てもいまだに色あせる気配なく“ベルばら”として親しまれながら幅広い世代の女性ファンを魅了し続けている。
そんな自分も、ベルばらに小学生の時にマンガを読み、宝塚歌劇の舞台を生で観て、一気にハマった1人。もちろんコミックも全巻を“保存版”として所有していて、いつかパリのベルサイユ宮殿に行く日を夢見ている。
さて今、京都国際マンガミュージアムで特別展『池田理代子 ベルサイユのばら原画展』が開催されている。これを知ってすぐ「見逃してはいけない!」と、同じくベルばらファンという“コスプレーヤー”の桜塚れいさんと一緒に早速、足を運んでみた。
会場には、1972年から「週刊マーガレット」に連載されていた時に描かれた原画がズラリと展示されていた。それでも自分が行った時はストーリーの前半にあたる“薔薇の運命(さだめ)”の展示で、4月14日からは後半の“革命は嵐の中で”に内容が入れ替わるという。合わせて約300点の原画が展示されることになっていて、ファンにとっては会期中、少なくとも2度、足を運んだほうがよさそうだ。
原画では、作者である池田理代子さんによるペンタッチの繊細さがまずとても目についた。そして、ホワイトと言われる“修正液”の効果的な使い方、ドレスの模様や背景などもほぼすべて手描きであることなど、通常のコミック版ではわからない、原画を見てこそわかるベルばらのもう1つの世界が伝わってきた。
今でこそコンピューターによる処理も多いだろうし、一流のマンガ家になるとアシスタントも多い。だが当時、スクリーントーンすら今ほど充実していない時代で、手描きの要素がこれだけ多いのがわかると同時に、手描きだからこそ臨場感あふれるストーリーとなり、後世に残る作品に仕上がったのだろうと思った。
しかし、原画とはいえ、ベルばらの華麗な世界にあふれた展示だった。前期では、男装の麗人・オスカルとマリー・アントワネット、フェルゼンの運命的な出会い、オスカルが唯一、ドレスを着た黒い騎士のシーンなど、ベルばら屈指の名シーンが原画で堪能できる。ファンならコミックとはまた一味違う感動がきっとよみがえるはず。
なお、展示では原画のほか、ストーリーに登場するキャラクターの紹介パネル、ベルばらが表紙を飾った当時の雑誌、これまで発売されたさまざまなコミック版や各国語版、宝塚歌劇のパンフレットや実写映画版のポスターなどの貴重な資料も展示されている。さらに、ベルばら関連グッズの販売もある。
そして、特別展開催中の土日祝、オスカル、マリー・アントワネットの紙の人形に参加者が色づけしたオリジナル衣装を着せかえるワークショップも開かれていて、誰でも無料で参加できる(ミュージアム入場料別途必要)
この特別展は、5月8日まで。毎週水曜日休館(休祝日の場合は翌日、5月4日は開館)。ミュージアム入場料を含む特別展観覧料(大人1,000円、中高生500円、小学生200円)が必要。
京都国際マンガミュージアム
http://www.kyotomm.jp/
http://www.kyotomm.jp/
(Reported by Aki Shikama)
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