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“生まれ育った故郷を応援したい”という納税者を支援するため、2008年からスタートしたふるさと納税制度。だが、その土地にゆかりがなくても納税することができ、さらに自治体によっては豪華なご当地グルメなどが寄付した金額によって配られるなどで注目を集めている。自治体の中には、いまや貴重な財源となっているところもあって、あの手この手で納税してもらおうと、担当者は知恵を絞ってアピールしている。
 
そんな中、全国トップクラスの人気を集めているのが、鳥取県米子市だ。
 
米子市では、3,000円のふるさと納税で6,000円相当の特産品がもらえる。そして、1万円だと11,000円相当の特産品が届き、さらに5,000円の税金控除も受けることができる。
 
2011年1月末現在、2010年度だけですでに全国から2,400件あまり、約3,900万円のふるさと納税があるという。ちなみに、2008年度で134件・1,067万円、2009年度で868件・1,815万円で着実に伸びている。
 
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実際に、米子市からふるさと納税の記念品を受け取ってみた。

箱の中には、栗入りどらやき、お茶のペットボトル、笹炭洗顔せっけん、海鮮居酒屋のお食事券、米子にある観光スポットの入場券、温泉入浴券、ご当地キャラ「ヨネギーズ」の携帯ストラップなどが、ギッシリと詰まっていた。3,000円以上の寄付でこれだけの記念品をもらうことができれば、かなりのお得感が得られることは間違いない。
 
しかしなぜ、これだけお得な記念品を米子市は届けることができるのだろうか。その秘密は、地元企業からの「無償提供」にある。
 
米子市では、ふるさと納税制度のために、地元企業とタイアップして無償で商品やサービスなどを提供してもらっている。提供する企業にとっても、市を通して全国に広告宣伝できるだけでなく、リピート注文への期待もできる。そして、市が負担するのは、記念品の送料3,000円のみ。市にも地元企業にも、そしてふるさと納税者にもメリットが大きい。
 
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そして、1万円以上の寄付でもう1品、3万円以上で2品、納税者が指定するタイアップ記念品が地元企業から直接送られてくるサービスも。
その内容は、ハム・ソーセージの詰め合わせ、霜降り鳥取和牛、大山ルビー豚セット、二十世紀なし、鬼太郎ビール、地酒セット、温泉旅館の宿泊割引券など36種類にもおよぶ。
さらに、来年度にはふるさと納税限定で「ヨネギーズ」グッズが加わる予定という。
 
なお、2010年度のふるさと納税者のうち、9割以上が米子市に縁もゆかりもない人々。
米子市の担当者によると「ふるさと納税本来の客体である地元出身者より、米子市と関係のない方がより多く目を向けていただいています。これは、財政難の自治体にとって、やればやるほど絶大な効果(新規財源・特産品PR・観光客誘致など)があがる取組みであると思っています」とのこと。
 
インターネットが普及した今、産地直送のご当地グルメの人気は高まる一方だ。ただ単にピンポイントで買うだけでなく、自治体に貢献して記念品をもらい、さらに税金でも控除が受けられる「ふるさと納税」。
興味がある自治体があればぜひリサーチしてみる価値はあるだろう。
 
協力:米子市
http://www.yonago-city.jp/

(Written by Aki Shikama)


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