20110419_01今ではカリスマという言葉がふさわしいほど、ファンの間では絶大な支持を集めるミュージシャン・長渕剛。

モノ作りへのこだわりからスタッフとの衝突も多く、歯に衣を着せない発言などからも怖いイメージがついてまわるが、たまに出演するテレビ番組やラジオでのトークを聞くと冗談も飛ばし、「長渕って面白いんだ」、「長渕って意外とお茶目」と感じる人も多いと思う。

そんな長渕の個性を発揮していたのが、デビュー当初のラジオパーソナリティ時代。長渕剛がミュージシャンとして成功の道を歩む過程にはラジオがあった。
まだ知名度の高くなかった1979年。長渕は、オールナイトニッポンの二部パーソナリティに抜擢された。当時の長渕は長髪で痩身。透明な声で女性の気持ちを代弁するラブソングを多く歌い、「遅れてきたフォーク青年」などと呼ばれていた。
そんな長渕のファンは女性が多く、当時はアイドル的要素が強かった。ラジオでは弾き語りのコーナーを毎週の様に行い、自身の作品はもちろんのこと、未発表曲や他のミュージシャンの曲を歌うことも。

記憶は定かではないが確か演歌なんかも歌ったり、真夜中のラジオというコミュニケーションツールで、随分と2wayライヴを楽しんでいた印象がある。

長渕剛のオールナイトニッポンは評判を呼び、僅か半年で一部に昇格。その知名度は着実に広がり、番組内の弾き語りライブで歌いアルバムに収録されていた「順子」がファンの間で話題に。
その声に推されシングルカットされ、見事オリコンシングルチャートで1位を獲得。当時の人気テレビ番組の「ザ・ベストテン」にも出演した。

アルバムですでに発表されていた曲がクチコミから広がりヒットするとは、テレビや映画のタイアップだったり、プロモーション活動を盛んに行うことでシングルヒットを狙う今の音楽界では考えられないこと。当時の深夜ラジオには、このようなラジオだからできたムーブメントが多数起こったものだ。

長渕のラジオから生まれた軌跡として忘れてはならないのが、石野真子との結婚であろう。
当時アイドルとして絶大な人気を誇っていた石野真子。長渕はライブで「俺は石野真子をお嫁さんにする」と公言するほどの石野ファン。そんな長渕と石野を結びつけたのがラジオだった。
ゲストに出演した石野の前で、弾き語りを披露する長渕。その演奏の中でこんなやり取りがあった。
長渕「歌の中で、俺が質問したら"うん"と言ってね」で演奏が始まり、長渕「好きかい?」石野「うん」長渕「好きかい?」石野「うん」。こんなことを公共の電波を使って行ったのだ。
長渕の甘い歌声に石野はメロメロになったのか、その後、本当に二人は結婚してしまった。まさに深夜放送を使っての公開ナンパである。

ちなみに長渕と石野は僅か1年7ヶ月で離婚。その後、TBSラジオの「スーパーギャング」パーソナリティになった長渕は、リスナーとの電話トークのコーナーで「菊池桃子が好き」という男性リスナーに対し、「菊池桃子に会ったことあるが普通の娘だった」とか、「アイドルなんて憧れるだけでいいんだ」といった類のことを喋っていた。
それを聞いて「俺は石野真子をお嫁さんにする」と自分も言っていたじゃないか!とラジオに向かってツッコミを入れたのは言うまでもない。

(Written by みぞてたかし)


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