はじめましての方もおなじみの方もこんにちは。私は、きのこライター堀博美です。

そもそも、「きのこライター」とはなんぞや、とお思いかもしれませんが、要はきのこのことについて、レシピや科学的なアプローチだけでなく、俗信・人物・歴史・民族・神秘・信仰・漫画・映画・芸術などなどあらゆる角度から文章にする、そういう仕事です。
現在のところ、日本に私ただ一人というニッチさですが、おかげさまでそのニッチさが受けて、色々な媒体で取り上げていただいています。

こんな仕事をしていると、「なぜ、きのこにそんなにはまったのですか?」とよく訊ねられます。ですので、先にお話ししてしまいましょう。

大学生時代、私は「聖なるキノコ ソーマ」(絶版)という本に出会い、聖なるきのこだなんて、これは面白いぞ、どんなきのこだろう、と読み進めると、「ベニテングタケ」というきのこだと分かりました。そこで、図鑑でベニテングタケを調べると、真っ赤な傘に白いいぼが点々とついていて、白い柄がすらりと伸びている、ベニテングタケの美しい写真に圧倒されました。これは実際にぜひ見ておかねば、と思いたち、図鑑の写真撮影場所と時期だけを頼りに、友人を誘って夜行バスに乗り、長野の高原に向かいました。今から思えば、確かなあてもなく、未知のきのこに出会おうという、無謀なチャレンジでした。(読者の皆さま、まねをしないで下さい)

それでもしばらく探していると、ちゃんとベニテングタケが生えていてくれたのです。
シラカバの木の根本に、赤い傘をして、何本も、堂々と立ち並んでいました。自分の想像を遙かに超える、鮮やかさ、かわいさ、そして立派さに圧倒されました。
ベニテングタケの他にも、小型でしゃもじのような形のヘラタケや、白いマイタケのようなハナビラタケなど、きのこといえばスーパーで売っているシイタケやブナシメジくらいしか知らなかった自分には、長野の山のきのこは、衝撃の連続でした。

そして夜には、「ペンションきのこ」でのおいしい野生きのこ鍋! 「ペンションきのこ」のオーナーは、きのこの本も出している筋金入りのきのこ人だとあとで知りました。
これはもう、きのこにはめられたとしか思えませんね。
かくて私は、きのこのとりことなり、きのこを探して回ったり、きのこの勉強会に入ったり、きのこ本を集めたり、きのこグッズを収集するようになりました。
それでも飽きたらず、一緒に旅行に行った友達と一緒に、ミニコミ誌「SOMA TIMES」を作りはじめました。SOMAはもちろん、「聖なるキノコ ソーマ」から取りました。これが18年前のことです。

(Written by 堀博美)


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