東京・上野動物園で先日、中国から贈られたパンダが公開されて早くも人気者となっている。この上野動物園は、日本最古の動物園にして国内で最も飼育種類が多い。さらに年間入園者数も、北海道・旭山動物園と並ぶ全国トップクラスを誇る。

一方で、大阪には“日本一小さな動物園”がある。池田市の五月山動物園だ。
その広さは、3,000平方メートル。個人経営の動物園を含めると日本最小ではないかもしれないが、現在のところ、日本動物園水族館協会に登録されている動物園の中では一番面積が小さい。
もともと1957年(昭和32年)、五月山公園の一角に同市の児童・幼児向け自然学習などの一環として動物を飼育し始めたのが始まりだ。
その五月山動物園に足を運んでみた。阪急池田駅から北に見える五月山に向かって歩いていくと15分ほどで到着。
入場は無料で、誰でもゲートから入ることができる。

園内には、カンガルー(ワラビー)やウォンバッド、エミューなどのオーストラリアの動物をはじめ、ウザギやモルモット、アルパカ、ニワトリ、ヒツジ(メイヨウ)などがいた。ぐるっと歩くとおそらく5分ほどで一周できるほど小さい。ちなみに、豪・ローンセストン市と姉妹提携していることでオーストラリアの動物が多いのだ。

だが、小さいなりになかなかおもしろい点が多々あった。


まず、日本では珍しいウォンバットが見られること。
現在、オス2頭とメス3頭の合計5頭が飼育されていて、ウォンバットは生息地のオーストラリア以外で繁殖例がほとんどないがここでは2世も誕生している。丸い体でヨチヨチと歩く姿はとてもかわいい。
だが、夜行性傾向が強いので昼間は寝転がっていることが多かったのがやや残念。


その分、カンガルーの小型版ともいえるワラビーはよく食べ、よく動いているのが見られた。


また、ダチョウのようなエミューにエサを与えることもできる。しばらく観察していると、エサの自動販売機の前に人間が立つと柵から首を伸ばしてやってくるのを目撃した。
まるで奈良公園のシカのようだったが、こちらも元気いっぱいだ。




そして、子どもたちに人気だったのが「ふれあい動物園」。ウサギやニワトリ、マーラーなどの動物と柵の中に入って触れ合うことができて、動物もかなり“人間慣れ”している。
さらに、昨年4月にやってきたというアルパカ2匹も人懐っこい。とにかく、どの動物ともここではかなり至近距離で触れ合うことができるように思えた。


あっという間に2時間が経過していた。平日にもかかわらず、園内は親子連れや若者でにぎわっていた。
しかも動物園の横には、展望台やハイキングコース、桜や紅葉のスポットなど自然にあふれ、1日いても十分遊べる。
日本一小さな動物園とはいえ、小さいながらの魅力がタップリある動物園といえるのではないだろうか。




五月山動物園(池田市観光協会)

池田市五月山動物園ライブカメラ「ウォンバッドてれび」

(Written by Aki Shikama)


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