「キノコレ-kinoko exhibition-」なる、きのこをテーマにした作品ばかりが並ぶ展覧会があると知り、きのこライターとしてはぜひとも行かねばならないと、さっそく足を運んだ。会場はcafe dining nearという、京都市左京区にあるカフェギャラリーだ。
これは、絵描きのオガサワラミチと、cafe dining nearが共同して企画した展覧会で、31人のアーティストが参加している。
会場に入って、まず、そのクォリティの高さに驚いた。きのこ的にも、ぐっと心をつかまれた感じがするし、アート的にも、完成度の高いものが多かった。
ひとつひとつが個性的で、きのこをリアルに作ったもの、擬人化したもの、イラスト、オブジェ、絵画という風に、アーティストたちそれぞれが、さまざまな捉え方で、きのこへの「愛」をしっかり表現している。
さらに、キャプションを見ると、出展者は若い女性の比率がかなり高いようであった。
この展覧会の企画者、オガサワラミチとcafe dining near延近謙に話を聞いた。
オガサワラは、“ある1冊のきのこ本”を契機に、きのこをライフワークとして描くことを決意。「なぜきのこ?」と不思議がられ、きのこはマイナーな世界なのかなと思いながら、それでもきのこにこだわり続けていた。
そして延近と出会い、きのこアートの輪を世に広めるべく、実験的な試みとして今回の企画を行なった。すると、ツイッターを中心に広く評判になり、近畿を中心に東京、長野、愛媛などからも作品が寄せられ、「思いのほかきのこアートは来ているとの実感を得た」という。
確かに昨年、広島市現代美術館で、「きのこアート研究所」展が開かれるなど、きのこアートは今、来ていると言っていい。
会場の、ギャラリーとカフェスペースは格子でゆるやかに区切られていて、無料でも気軽に見ることが出来るのが嬉しい。もちろん、きのこワールドにひたりつつ、ドリンクやフードで一服するのも乙なものだ。
なお、5月4日には「キノコフェス」というクロージングパーティが催され、入場料1000円で、音楽のライブが聞けたり、きのこアーティストたちと直接交流ができたりするらしい。
また、きのこゲストも多数来場、きのこに関連したフードやグッズも販売するという。トークイベントでは、オガサワラをきのこ世界に導いた「1冊の本」の正体も明かされる。(実は私、堀博美もトークに参加することになった)きのこ好き、アート好きなら、「キノコレ」は、ぜひ押さえておくべきだ。
「キノコレ」展覧会は5月3日まで。(翌4日のキノコフェスの際に鑑賞することも可能)
詳細はcafe dining nearまで。
(文中敬称略)
cafe dining near
(Written by 堀博美)
※4/30 18:48 「入場料」に関する箇所に誤りがあったため訂正しました。