ミニコミ誌「SOMA TIMES」は、ベニテングタケの素晴らしさを讃えることからはじまり、きのこの本やきのこ音楽、さらには当時まだ合法だった幻覚性きのこまでとりあげる、非常にマニアックな内容となっていきました。
「SOMA TIMES」ははじめ、アートフリーマーケットなどで細々と手売りしていました。それが、雑誌で紹介されたこともあり、ミニコミ書店に置いていただいたり、通販も始めたり、一気に読者も増えていき、きのこ仲間も増えました。
しかし、濃くなりすぎた「SOMA TIMES」にもうついていけないと、一緒にやってきた友人が脱退してしまいました。
 
そこで、私ひとりで、しこしこと「SOMA TIMES」を続けることになりました。幸い、読者投稿が多かったので、だんだんと充実したミニコミになってきました。
しかし、「SOMA TIMES」のマニアックすぎる方向性に、少し行き詰まり感も感じはじめていました。
 
すると、イラストレーターの城戸みゆきさん(後に、私の著書「きのこる」のイラストを担当してくれました)と知り合い、きのこ話でおおいに盛り上がりました。そして、もっと親しみやすく、女子高生などが「かわいい!」と言って手に取ってくれるような、そんなきのこミニコミを作ってみないか、ということで意見が一致しました。
そこで、きのこ好きのアーティストやイラストレーターなど、のべ10人ほどのきのこ好きな表現者に執筆してもらい、2003年、ミニコミ誌「きのこる。」を立ち上げました。

かわいらしさをアピールするために、「SOMA TIMES」がB4サイズを二つ折りにしたのに対し、「きのこる。」はB6という、小さな版形にしました。
ところが、「きのこる。」も、原稿が集まってみると、皆 好きずきにきのこへの思いのたけを存分に絵や文で表現し、別の意味でいきなりマニアックになってしまいました。
「まあいいや!仕方ない!自由なのがミニコミだし!!」の勢いで、同人の一人、ありんこ天国さんのイベントでの販売を皮切りに、「SOMA TIMES」時代に作り上げていた、ミニコミ書店やネット通販などのネットワークで売りはじめました。
当初のもくろみ、女子高生が買っていったのかは定かではありませんが、プロのイラストレーターなどが描くビジュアル重視のきのこミニコミ、というのが受けて、こちらも人気になりました。

実はその頃、「日本キノコ協会」というきのこ愛好家の団体が、ムック誌「MOOKきのこ」の創刊をひかえて、若い世代のきのこ表現者を求めていました。そこで、編集長が「SOMA TIMES」「きのこる。」を読んで、私がアートフリーマーケットできのこグッズや「きのこる。」を売っているところに来て下さり、「MOOKきのこ」の構想を熱く語り、私を副編集長に迎えたいと提案されました。
 
それを聞いて、ミニコミは自由で良いですが、商業出版をすることで、きのこの素晴らしさをより広められるのではないか、と思うようになり、引き受けることにしました。
かくして私は、「SOMA TIMES」「きのこる。」編集長、「MOOKきのこ」副編集長と、きのこづくしの冊子類の任務を兼任することになったのです。

(Written by 堀博美)





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