納豆の産地と言えば、誰もがパッと思い浮かぶのは茨城・水戸。だが実は、納豆は全国各地でさまざまな商品が作られている。その1つが、大阪・大東にある小金屋食品。大阪で納豆を作っているイメージはなかなか地元にいてもまだ浸透しているとは言い難い。だが、北は北海道から南は九州まで小金屋食品の納豆をわざわざ買い求める人々がいるほど、ひそかな人気を集めつつある。

だが、どうして大阪で納豆なのか。そのルーツは現在、社長を務める吉田恵美子さんの父・小出金司さんが納豆の代表的産地の1つ、山形・米沢出身で16歳で大阪の納豆工場に丁稚として奉公し始めたことにある。吉田さん曰く「父はその後に独立してもひたすらおいしい納豆を作り続けて、工場が火事に遭う悲惨な目も乗り越えて、今日にいたります」とのこと。その父の背中を見続けていた吉田さんが今、父の仕事を継いでおいしい納豆作りに励んでいる。

小金屋食品の代表的な商品が「なにわら納豆」。通常、スーパーなどでよく見かける納豆パックは培養納豆菌だが、このなにわら納豆は昔ながらの稲わらについている“天然納豆菌”を使っているのが特徴。そして、手作業で1つ1つ作り上げられていて、濃厚な豆の味とわらの香りは、今まで食べてきた納豆の常識がすっかりくつがえるかのように香ばしい出来。商品名も“なにわ”で作られた“わら納豆”からで、大阪産へのこだわりが感じられる。

また現在、小金屋食品では女性スタッフ5人が創業時からの伝統を守りながら納豆作りに取り組んでいる。特に「逸品納豆」という商品には、通常の納豆に加えて特製のたれ、切り刻んだネギ、そしてうずらタマゴがあらかじめ入っている。
納豆を食べる際にわざわざ他の材料を用意しなくてもいいように、女性ならではの“知恵”がしっかり入った商品だ。
小金屋食品の納豆は、全国の限られた百貨店やスーパーなどのほか、工場の直販店、インターネットでも入手できる。遠方からわざわざ毎週まとめて買い求めに来る人、知人への「贈呈用」にとプレゼントする人、さらに長年のファンというリピーターも多いという。「とあるイベントに出展した時、20年ほどうちの納豆を食べ続けてきたという人に初めてお会いして『これからもがんばって作り続けてくださいね』と言っていただけた時はうれしかったです」

さらに今後「大阪でも納豆を作っていることをもっと広く知ってもらいたい」と、大阪のさまざまな物産などを取り扱うインターネット通販サイト「大阪ミュージアムショップ」でも販売する予定。女性たちが毎日、ていねいに手作りする大阪産まれのとっておき“納豆”、ぜひ一度ご賞味あれ。

小金屋食品

(Written by Aki Shikama)


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