カイゴッチとは耳なれない言葉だけど、かつての人気ゲームの「タマゴッチ」にかけた造語か？「介護人」なんて言葉よりかなり親しみやすいし、これだとカイゴッチ仲間なんてのもできそうだ（笑）。

そんな風に思えるのも、書かれている話がどれも苦笑爆笑を誘うものばかりだから。
出かける時は１年じゅうサングラスに帽子にアクセサリー、病院の待ち時間ではロビーで往年の歌謡曲を歌いまくり、散歩に行っては帰り道がわからなくなってタクシーで帰ってくる．．．てな調子の認知症の父と、毒舌家の娘が繰り広げるエピソードが38編。どれもこれも、ふむふむなるほど．．．、しかしそりゃあないだろ！と、思わず相づちや突っ込みを入れたくなる。

さらに話を盛り上げているのが宇和島太郎さんのイラスト。ヘタウマ感覚ながらもツボを押さえた巧妙なタッチでイマジネーションをかき立ててくれる。

見本を手にしてみるとライトタイプの軽〜い装丁、これはいいね、いつでもどこでも持って行ける。それにひとつのエピソードがだいたい３〜４ページ単位だから、どこからでも気軽に開いて読めるし、それぞれに介護のアドバイスやマメ知識も載っている。楽しく読めて実際に役立つ．．．、これって新しいタイプの「介護本」かも。
 

 「カイゴッチ38の心得　燃え尽きない介護生活のために」

著：藤野ともね

プロデュース：コンパスポイント　

定価：1,365円（税込）

シンコーミュージック・エンタテイメント刊　2011年６月20日　発売

「フンコロガシの詩」
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