ゴールデンウィーク真っ只中の日本列島を震撼させた、富山県「焼肉酒家えびす 砺波店」での集団食中毒事件から、早2ヶ月――。最も食中毒の発生件数が多いとされる8月を前にして、現在も全国各地で雑菌への感染が引き起こした事件が多発している。
今年は全国の家庭・オフィスで節電のためにエアコンの設定温度をあげるなどの取組みが行われ、室内の温度と湿度は上昇気味。まさに、雑菌が繁殖しやすい環境ができあがっているわけだ。
飲食店や宿泊施設、学校などにおける感染事例が主だった報道となっているが、家庭内での雑菌対策は如何だろうか? 何でも口に入れるクセがいまだ取れない息子(2歳児)を見ていると、にわかに不安になってくる。つい先日はこの息子、筆者が仕事用に使っている携帯電話をアイスキャンディーのように舐めまわしていた。
「そんなにひもじい思いをさせていたか、息子」と悲しくもなるが、「携帯電話から便座の70倍以上の雑菌が見つかった」というニュース記事をはたと思いだし、息子から携帯電話をむしり取る。
家の内外を行き来し、様々な雑菌が付着した手で触られる携帯電話。今や1人1台とも言える割合で普及しているこの電子機器、雑菌に対する抵抗力の低い子どもが触れると、結構危険ではないか? Webサイトを流し読みしながらウエットティッシュ、アルコールスプレーなど…パッと思いつく除菌グッズを検索している内に、気になる存在が目に入った。「紫外線」によってほぼ完ぺきな除菌を実現する装置が先日、日本上陸したという。薬品ではなく、「紫外線」で除菌するというあたり、非常に興味をそそられる。
除菌率99,9%という、この紫外線除菌器「ブルーゾーン」。さっそく購入し、我が愚息が愛してやまない携帯電話の除菌を行ない、実際にどれだけ除菌されているのかビフォー/アフターを調べてみた。
◆こんなもの舐めていたのか! 汚すぎするぞ(筆者の)携帯電話
まず、除菌前の筆者の携帯電話がどれほど汚いのか、雑菌の数を数値で教えてくれる装置を飲食関係に従事する知人から借り受け、測定してみた。調べたい対象を綿棒でこすり、装置の中に設置するだけという簡単な代物だ。
10秒後、ディスプレイに表示された結果は6570RLU。食品加工工場など食物残渣(しょくもつざんさ=生ゴミ)や菌などを厳しく抑制する施設では、だいたい1500RLU以下を清潔な基準として判断するというから、結構汚い。
10秒後、ディスプレイに表示された結果は6570RLU。食品加工工場など食物残渣(しょくもつざんさ=生ゴミ)や菌などを厳しく抑制する施設では、だいたい1500RLU以下を清潔な基準として判断するというから、結構汚い。
※RLU=Relative Light Unit (相対発光量)。ATP(アデノシン三リン酸=地球上の全ての生物のエネルギー源として存在する化学物質)と、AMP(アデノシン一リン酸=生物に広く存在する物質)を合わせた数値を表す。数値が高いほど「そこに生物、あるいは生物の痕跡が存在する」証拠であり、菌の餌が存在する環境と言える。
我が家の便座でさえ2730RLUだったので、どんだけ汚れていたのだ? (筆者の)携帯電話。ちなみに、妻がファンデーションをはたく「パフ」をこっそり拝借して測定してみたところ、7232RLUという背筋も凍る結果に。妻に「キミの顔は雑菌まみれかも知れん」と伝えると、「ブルーゾーン」をこっそり買ってしまったことへの不満もあってか、5年ぶりくらいに頬を張られた。
妻へのフォローになるかは分からないが、編集部のデスク周りで最も手に触れる機会の多い「マウス」を何人か分調べたところ、下は1000RLUに達しない場合もあったが、中には9万〜10万RLUという測定したことを後悔するような数値を叩きだすマウスも確認できた。
◆「除菌習慣」を取り入れてみる、夏
ここで、ようやく紫外線除菌器「ブルーゾーン」の出番である。装置の大きさは、バイクのヘルメットくらいといえばお分かりいただけるだろうか? 使用方法に複雑なところはなく、扉をあけて、温かい飲み物を保温する温蔵庫のように仕切られたトレイの上に携帯電話を置き、再び扉を閉める。あとは、10分待つだけで良い。
10分後。携帯電話を取り出してみると、ほのかに温いような気はするものの、外見上変化は特に見られない。いくら肉眼で観察しようと、除菌効果は判断できないので、除菌する前と同じくふき取り検査で雑菌の数を調べてみる。測定装置が伝えた検出数は、1522RLU。便座はおろか、食品工場に持ち込んでも問題ないくらいに除菌が行なわれている。
除菌が行われたとはいえ、これ以上息子に携帯電話をペロペロさせるのは食育上よろしくないので止めさせるが、幼い子どもの身の周りから雑菌の温床を色々取り除けると考えれば、良い買い物であったと思う。「ブルーゾーン」の価格は1台29,400円(税込)と決して安くはないが、歯ブラシ・メガネ・化粧用品・哺乳瓶など衛生さを保ちたいものをまとめて除菌してくれる。テレビやエアコンのリモコンなど多くの手が触れる備品を、除菌するのも良いだろう。
聞けば「ブルーゾーン」の輸入元・お隣の韓国では、日常生活に「除菌する」という行為がごく自然に組み込まれているそうだ。余談ではあるが、「ユッケ」の本場である韓国では厳しい抜き打ち検査と衛生管理によって、生肉を提供する飲食店で食中毒がほとんど発生していない。除菌装置が生まれてくる背景には、そんな高い衛生意識が関係しているのだろう。
何やら、日本とは真逆の世情のようだが、今年の夏こそ「除菌」という習慣を日常に組み込む価値はある。
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