アンリ・ルソー 『エデンの園のエヴァ』 1906-1910年頃 ポーラ美術館蔵
ホテルのレストランやパーティなどで、雰囲気を損なわないために、参加者がしかるべき服装を身に着けなければならない「ドレスコード」というものがある。そして、このドレスコードを設けている美術館があるという。それだけでも珍しいのに、ある展覧会のドレスコードが、なんと「きのこ」だという噂がネットで流れた。
これはきのこライターとしては追求せねばならない。
これはきのこライターとしては追求せねばならない。
すると、噂は本当だった!
東京都庭園美術館が、2011年4月16日(土)から7月3日(日)まで開催している「森と芸術―私たちの中にひそむ森の記憶をたどってみよう」展のホームページによると、「今回は展覧会タイトル「森と芸術」に関連して、「きのこ」をモチーフにしたアクセサリーや服装でご来館のお客様は、展覧会入館料より100円をお引きいたします。(他の割引との併用はいたしません。)
きのこ柄の靴下、きのこ型のブローチなどなど、身の回りに可愛らしい「きのこ」はありませんか?展覧会へのお出かけをお得に、より楽しめるドレスコード割引をぜひご利用ください。 完璧なマッシュルームヘアもOKです!
※ドレスコード割引は「身につけて」いるものに限り、適用させていただきます。」と確かにある。
ドレスコードは割引企画なので「きのこウェアでないと入館できない」という訳ではないので、念のため。
ドレスコードは割引企画なので「きのこウェアでないと入館できない」という訳ではないので、念のため。
それにしても、この面白い企画はどうやって生まれたのだろう。東京都庭園美術館の広報担当・浜崎加織氏に問い合わせてみた。
Q:美術館でドレスコード割引は珍しいと思うのですが、ドレスコード割引を設けたきっかけは何ですか?
A:当館では3〜4年ほど前から企画展に合わせてドレスコード割引を実施しております。
ご来館いただく際、お客様に展覧会を少しでも身近に感じていただければと思い、実施しております。
Q:森のものは他にもあると思うのですが、あえて「きのこ」にした由来をお聞かせください。
A:今回は「森と芸術」ということでしたので、森にちなんだものを考えました。
その中で、出品作に「きのこ」をモチーフにした作品があることが分かり「きのこ」にしました。
形の可愛らしさと森の雰囲気が伝わるのでは・・・と個人的には思っています。
確かに、きのこは可愛い(断言)。作品の「森」の中を、「きのこ」な観客が作品を見て回っているところは、架空の森が誕生したようで、さらに展覧会のテーマを深めるだろう。
Q:身につけるもの、と言うことは、かばんやカートはNGですか?
A:はい、NGです。
その他、携帯ストラップやキーホルダー等も適用されません。
「きのこ」柄のスカーフ、TシャツなどはOKです。
ドレスコードはなかなか厳しい。ストラップは「身につける」ものには入らないのだ。手前味噌になるが、私も加わっている「SPORE」のサイトから入手したものなど、ちょうどこのドレスコードを満たしそうだ。
Q:「完璧なマッシュルームヘア」の基準はありますか?
A:ドレスコード割引はお客様に楽しんでいただくのが目的ですので、ポニーテールやロングヘアーなど明らかに髪型が違う場合以外はOKです。
ただ、チケット売り場の担当者にはマッシュルームヘアの写真をいくつか見せていますので、その画像を見ながら判断しています。
ビートルズやふかわりょうのような髪型をしている方、アピールチャンスだ!
Q:展示作品中に、きのこが登場するものはありますか?
A:はい。ございます。
きのこ型のランプが展示されています。(ちょっと縦長ではありますが。)
きのこ好きとしては、これはぜひ見てみたい!
展覧会自体の内容だが、「森」をテーマにした古今のさまざまな作品——風景画、挿絵、植物模様、立体作品、近代絵画などを集め、単なる地形ではない森の姿——例えば、「楽園」であるとか、「神話」「伝説」であるとか、人間が森に託したさまざまな思いを明らかにしようとするものである。
東京都庭園美術館は都心にありながら、森に囲まれた、世界にも稀有なアール・デコ様式の邸宅美術館である。展覧会を見る前から、「森」への思いを高めることが出来るであろう。
そして、ドレスコードによって、観客も「森の一部」として展覧会に参加しているようなき分を味わえる。会期は残りわずかとなってしまったが、ぜひきのこに身をまとい、東京都庭園美術館を訪れてみられてはいかがだろう。
なお、この展覧会は、福井県立美術館 2011年7月29日(金)―8月28日(日)、札幌芸術の森美術館 2011年9月3日(土)―10月23日(日)に巡回する。ドレスコードは残念ながら東京都庭園美術館の独自企画のようだが、「森アート」を各地で見られるのは楽しみである。
*開館時間、休館日などについては、下記のホームページでご確認いただきたい。
アンドレ・ボーシャン 『楽園』 1954年 ハーモ美術館蔵
(Written by 堀博美)
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