これらの事例を見る限り、芸人たちがネタを披露する場は少なくなったといえるのかもしれない。
しかし、お笑いを見る場所は何もテレビだけに限ったことではない。都内の劇場やミニシアターでは頻繁にお笑いライブが開催されており。そして、もう1つ忘れてはいけないのが「路上」である。
「M−1グランプリ」2008年度チャンピオン・NON STYLEがストリート漫才出身であるのは、有名な話だが、劇場などのハコを使わなくとも、多くの人たちにネタを手軽に見てもらい、自分の力でファンを増やすことができる路上。それをあえて舞台に選んでライブ活動を行なう芸人たちがいる。
今回、紹介する「笑業団体(しょうぎょうだんたい)しきかけ一味(いちみ)」もまた、路上を舞台に、精力的な活動を続けているお笑い芸人集団だ。
漫才、ギター漫談、特撮ヒーローネタなど、それぞれが得意とする多彩なネタの数々とメンバーが揃って挑む大喜利コ―ナーで「しきかけ一味」のライブは構成されている。様々な人が歩き、すれ違う都会の路上で、わざわざライブを見に来たらしい熱心さが見えるファンや、通りすがりの人たちを前に、彼らはネタを披露する。
リーダーで、「エンタの神様」に出演経験があり、ギター漫談を得意とするピン芸人・印度の林檎さん、矢部たかひろさんと片野明隆さんによる漫才もコントもこなすコンビ・タンデム・シップ、そして、特撮ヒーローネタを得意とするピン芸人・トミウラタカユ機さんの4人で「しきかけ一味」は構成されている。
彼らがグループを結成したのは、2008年、現在4人で、都内での週3回のストリートライブを主な活動としている。
「しきかけ一味」はこの定期的な路上ライブで着実にファンを獲得しており、その成果は彼らのもう1つの活動「本公演」に非常によく現れている。
本公演とは、ストリートライブとは異なり、ホールを使って開催する彼らのお笑いライブ「敷き布団とかけうどん」のことだが、こちらのライブは、開催ごとにホールのキャパを広げてきているという。
2010年10月に行なわれた5回目の公演では、キャパ300人の日本青年館中ホールが満席になる盛況ぶりである。また、2010年、印度の林檎さん、タンデム・シップ、トミウラタカユ機さんがそれぞれの単独ライブを開催されるなど、個々の活動も躍進させている。
2回の公演を行う路上ライブの合間で、芸人たちがチラシを配布したり、見にきてくれたお客さんたちと気軽に会話を交わしてコミュニケーションをとるなど、しきかけ一味のストリートライブはにぎやかさと和やかさに包まれていた。
しかし、舞台となる路上はさすがに人が集まる都会。お笑いライブを繰り広げるしきかけ一味の向こう側では、音楽ライブを繰り広げる若者たちの声が響きわたっている。
この場所でより多くの人をひきつけられるのは誰なのかという、パフォーマーたちの勝負がいつしか繰り広げていられるようにも感じられた。
都会のストリートは、まさに夢にかける若者たちのサバイバルの舞台なのだ。
「笑業団体しきかけ一味」は、週3回、東京は池袋の駅周辺でストリートライブを行っている。
いずれ、日本武道館で公演を行うことを、本気で目指しているというしきかけ一味。ストリートで戦う彼らの挑戦は、まだまだこれからだ。
しきかけ一味定期ストリートライブ情報
毎週水・金・土曜日 20:30〜22:00
池袋駅東口 びゅうプラザ前
笑業団体しきかけ一味公式ブログ
しきかけ一味の一員『タンデム・シップ』路上ライブ風景
(Written by 田下愛)
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