置き薬には「アート」がある。

近年OTC(薬局で購入できる大衆薬)のパッケージは、クールでおしゃれなデザインのものが増えてきたように思える。(『ナ○ンエースR』などがその最たる例)
しかし置き薬は、時代の波に流されないデザインのものが多く、いわゆるひとつの「ガラパゴス」を築いていた。
今でこそシンプルですっきりしたパッケージ&ネーミングのものが主流になってきて、筆者としてはいささか残念な限りなのだが、一昔前の薬箱といえば、個性大爆発のデザインのものばかりだった。
 
1分で思いつきそうな直球すぎるネーミングに、原色を基調としたビビッドなカラーリングのパッケージや、太くてシャープなフォントのロゴ。
劇画タッチで、病気なんて吹っ飛んでしまいそうな迫力ある表情をした達磨、スピード感溢れる未来の乗り物、向日葵のように明るく弾ける笑顔の美女、物憂げな表情を浮かべる男女、そしておっさん…
 
そんな芸術的空間でもある「薬箱の中」という小宇宙を思う存分堪能できる場所が、置き薬の本場・富山にある「くすりミュージアム」だ。

くすりミュージアムは富山駅からすぐのビル「CiC」5Fにある。
ちなみに入場料はかからない。

場内には様々なデザインのパッケージが所狭しと飾られていて、例えば達磨のデザインひとつ取ってもかなりのバリエーションがあることがわかる。

黄色い風呂桶でおなじみ、頭痛薬のエース「ケロリン」だが、類似パッケージがこんなにも多いことはあまり知られていない。

置き薬のパッケージだけでなく、薬草とそれを加工するための道具や「柳行李」の展示など、富山の売薬史がギュッと集められている。


実際に薬草の匂いを嗅いだりできるコーナーもあるので、置き薬マニアにはたまらない空間である。


古くから多くの人々に愛されている置き薬。
「昭和ノスタルジー」なアートに触れたい人から、お金をかけずに家族サービスしたい人まで、行って損はない大充実のミュージアムなのだ。


(Written by 浦和武蔵


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