残暑が厳しい今夏、原発事故の影響による“節電”が全国各地に広がっている。エアコンの設定温度はどこも高めで、室内でも正直暑い。じっとしていても流れる汗が止まらないことが多い。

そんな中、昔ながらの「手ぬぐい」が注目を集めている。

ハンカチでは汗を吸収しきれず、タオルではオシャレ感がいまいち。手ぬぐいだと肌触りもよく、汗を吸い取ってくれ、シワが寄っても目立たず、洗濯もラクでアイロンがけの必要もない。中高年はもちろん、手ぬぐいにあまり馴染みない若者までちょっとしたブームになりつつあり、百貨店やスーパーマーケットなどの売り場でたくさんの手ぬぐいが売られている。

ところで、鮮やかな手ぬぐいの柄の数々、東京や京都などで作られていると思いきや、実は“染める”技術に関して、大阪が“一大産地”であることは意外と知られていない。

京都や奈良などの観光地でよく売られている手ぬぐい、これらの柄は江戸時代に始まった「注染(ちゅうせん)」と呼ばれる型染めの技法が多く用いられている。そして明治時代に入って、大阪産の注染による手ぬぐいが全国に一気に普及した。

注染は、表側と裏側の両面から木綿の糸そのものを手染めする。長く使用しても色あせが少なく、“ぼかし”など手染め独特の技法によって「風合い」が感じられる。まったく同じ柄がないのも注染のよさで、プリントとは違う“飽きないデザイン”のため、長く愛用できる。

「注染てぬぐい」を取り扱う大阪市中央区の大阪府織物染色協同組合を訪ねた。江戸時代からの定番文様「組亀甲」、7代目市川団十郎が舞台ゆかたと手ぬぐいで使って絶大な人気を誇った「かまわぬ」などの“古典柄”をはじめ、「ねこ」「自転車」「めだか」「ひまわり」など現代風のデザインも。有名なハリウッドスターが気に入って購入したという注染の反物もあった。

一方、注染をもっと全国に広めようとする動きもある。日本有数の注染産地である大阪府堺市では、伝統的技法の注染と新感覚のデザインがコラボレーションした「堺一心染め」に関西のものづくり企業、若手デザイナーらが取り組んでいる。「くわがた」「ゴーヤ」「糸でんわ」「パンとバター」など、斬新なデザインが目を引く。現在、堺市長や堺市議会議員らも注染の綿シャツを積極的に着用して伝統地場産業をアピールしている。

なお、注染手ぬぐい(35種類)は1枚840円〜、堺一心染めの手ぬぐい(28種類)は1枚1,155円〜。いずれも同組合で購入可能。下記のホームページを参照のこと。

※価格はすべて税込、取材時の価格


大阪府織物染色協同組合(オリセン)

(Written by Aki Shikama)


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