フランス・パリの宿泊先を探すのに、実はかなり苦労しました。その理由は「宿泊費の高さ」。パリはイギリス・ロンドンやアメリカ・ニューヨークと並んで“世界一高い”ともいわれています。

予算が限られている中で、インターネットのホテル予約サイト『Booking.com』でよくホテルを探すのですが、女性であること、半ばビジネス利用であることなどを考慮していると「部屋にバス・トイレつき」「インターネット無料」「駅に近い」「不潔なところは嫌」といった“最低条件”があります。また、実際に宿泊した人(外国人含む)のレビューはよく読んで参考にします。

さて今回やっとのことで見つけたのが、イタリー広場に近い場所にあった2つ星ホテル。メトロの駅から徒歩2分ほど、オルテリッツ駅やモンパルナス駅に乗り換えなしでアクセスできる交通の便のよさも決め手になりました。

そして、夜行列車で朝方パリに着いてすぐホテルへ。ホテルの中に入るとフロントにいきなり「パンダ」の写真が数枚、飾ってありました。「なぜパリで、パンダ?」と思ったら、フロントで受付する女性が中華系です。「今すぐチェックインできないよ、荷物を預けたい? それならそこに置いておいて」と、やや上から目線の投げやりな言い方(フランス語)で、しかも宿泊費の支払いはチェックイン時と思いきや「今すぐ支払って!」と半ば強制的。改めてフロントのまわりを見渡すと、明らかに中国の茶器が置いてあったり、漢字の本が積んであったり・・・パリというより、中国での空気を思い出しました。

その後、ホテルを出てすぐ「周恩来のレリーフ」があり、さらにその横が「Bank of China (中国銀行)」が。裏に回ると、小さいながらも“チャイナタウン”的な雰囲気。そう、このホテルは「中国人宿」だったのです。

夜にホテルへ戻ると、フロントにあの女性はおらず、若い中華系男性が受付にいて、渡されたテレビのリモコン表示が“漢字”。その若者に「中国語話せるの?」とチラッと聞くと「いや話せない」と英語で、笑顔で返されました。でも、エレベーターのない部屋まで荷物をサッと持っていってくれたので、好感度アップ。

そして翌朝、ホテルをチェックアウトする際、またあの女性が登場。しかし今度は笑顔で「Au Revoir (またね)」と、手を振って見送ってくれました。パリでちょっと不思議なホテル体験。宿泊費の安さが落とし穴だったのか、それともお得な買い物だったのか、ただ少々珍しい体験をしたのは間違いなさそうです。

Booking.com (日本語サイトあり)




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