山のトイレ事情は深刻である。
「高冷地の為汚物は分解されません。トイレットペーパーは便器に捨てずに外付けの箱の中に捨てるべし。」
「分解されない汚物は貯まるとヘリで下界に降ろします。お金がかかるので宿泊者以外は使用料100円を払うべし。」
「山では水も貴重な資源です。水洗トイレじゃなくても我が儘を言わず平然と構えるべし!」
山のトイレにはアンモニアの刺激臭で眼を開けていられないほどの強者もいる。昨今の山ブームに於いて汲み取り式のトイレなんぞ使ったことのない山ガール達にとっても悩みのタネの一つであろう。山オンナのトイレシュランとは、筆者である山暦5年目の「あたい」が訪れた山に設置されているトイレについて11段階評価で☆を付けていく一大プロジェクトなのである!



「山と便器」第六回
【阿曽原温泉小屋のテント場のトイレ】
評価:☆☆☆
使用日:2010年8月20日、2010年10月3日

 

吉村昭の「高熱隧道」(※1)で有名な水平歩道の先にある山奥の山小屋。ここへ行くには欅平、黒部ダム、室堂からの3つのルートがあるが、どこから行くにも行程が長く、切り立った道や厳しい山道を行くことになるので初心者にはちょっととっつきにくい場所かもしれない。小屋の下には温泉がわき出ており、露天風呂がある。
 (※1)黒部ダムを作るにあたってトンネル内の高熱と戦いながらトンネルを掘っていく作業員達の話。途中、爆発的な威力の雪崩の為についさっきまであった作業小屋が跡形もなく消えたり、精神をおかしくした作業員が雪山の中に消えていったりなど、この小説を読んでから水平歩道のトンネルを通ると、怖さ百倍である。

小屋の主人によると10月20日頃に黒部ダムから阿曽原温泉に向かう道には必ず、紅葉のもんの凄いところがあるらしい。途中にある十字峡は本当に圧倒されるので、興味があるならば絶対に行った方がいい。
そんな阿曽原温泉小屋のテント場にあるトイレは一言で言うと「学校の校庭にあるトイレ」。
水は豊富なので水洗、トイレットペーパーも人が少ない時にはある。標高はさほど高くはないので地上のトイレとほぼ一緒と考えていい。

トイレットペーパーあり。 +1点
扉の鍵が壊れていない +1点
便器が汚れていない。 +1点
虫はいた 0点
山のトイレの基本を超越している +1点(説明1)
トイレに対しての工夫があるか +1点(説明2) 
☆ 信じられない!無臭! +1点

計6点
説明1:トイレットペーパーを流していい!
説明2:水洗なので・・・。(ちょっと甘いか)

 
いや〜トイレって、本当にいいものですね。


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