山のトイレ事情は深刻である。
 
「高冷地の為汚物は分解されません。トイレットペーパーは便器に捨てずに外付けの箱の中に捨てるべし。」
「分解されない汚物は貯まるとヘリで下界に降ろします。お金がかかるので宿泊者以外は使用料100円を払うべし。」
「山では水も貴重な資源です。水洗トイレじゃなくても我が儘を言わず平然と構えるべし!」
山のトイレにはアンモニアの刺激臭で眼を開けていられないほどの強者もいる。昨今の山ブームに於いて汲み取り式のトイレなんぞ使ったことのない山ガール達にとっても悩みのタネの一つであろう。山オンナのトイレシュランとは、筆者である山暦5年目の「あたい」が訪れた山に設置されているトイレについて11段階評価で☆を付けていく一大プロジェクトなのである!



「山と便器」第七回
【高天原山荘のトイレ】
評価:なし
使用日:2008年8月10日
 
2日は山道を歩かないとたどり着かない北アルプスの深淵にある山小屋。この小屋に訪れる人々は、10分ほど歩いた先にある湯ノ花で白く濁った天然温泉の高天原温泉を目指して来る。
電気も通っていないので小屋の灯りは全てランプ。人工的な音が一切なく、自然の音しかない小屋で一晩を過ごすと自分の身に付いた都会の喧噪がきれいさっぱり流れ落ちるような感覚がする。
 
そんな高天原山荘(※1)のトイレはこざっぱりとしたトイレ。
3年前もの記憶を辿ると、季節柄小屋が満員だったというのもあるかもしれないが、泊まった次の日の朝には大きなバケツでできた便壺がさっぱりときれいになって置かれていたのには感動した。
(※1)モリブデン鉱山の従業員宿舎を引き継いで昭和37年に開業した山小屋。高天原(たかまがはら)とは日本の神話で「神の住む場所」とされているが、この高天原もそんな感じがする。
以前の高天原山荘は年月を重ねて屋根の部分が中心に向かってひしゃげていたが、2011年に新しくリニューアルしたらしい。
二日掛けて歩いた先にある森の中からいきなり出てくる赤い屋根。時間があればもう一度訪れたいものである。

トイレットペーパーあり。 +1点
扉の鍵が壊れていない +1点
便器が汚れていない。 +1点
虫はいた 0点
山のトイレの基本を超越していない 0点
トイレに対しての工夫があるか +1点(説明1) 
山のトイレだしこれくらいの臭いはしょうがない −1点

計3点
説明1:とにかく清潔に保っている点


いや〜トイレって、本当にいいものですね。


【編集部のイチオシ】