かつてフランスでは、英語で話しかけるとフランス語で返される、英語がわかるくせに英語で答えてくれない、フランス人はプライドが高い・・・とよく言われていました。日本では中学生から学ぶ英語と比べ、フランス語を学ぶとしてもせいぜい大学で選択して2年ほど。英語とは語源が違い、発音も難しく、何年もフランス語を勉強しても話せない人はたくさんいます。
でも最近「フランスではけっこう英語が通じるよ」という声も。永遠のライバル(?)イギリスへの対抗意識を持っていたフランス人は遠い昔、いまやユーロスターでロンドン〜パリ間が鉄道で結ばれ、特に若者の間で英語への敷居が低くなっていると、現地に住む人に聞いた次第。
さて、フランス語がほとんど話せない自分がいざ、初めてフランスを訪れて感じたことは「けっこう英語、通じるじゃん」ということでした。
まず、国鉄やメトロの駅では6、7割程度でしょうか。しかし、声をかけたスタッフがフランス語しか分からなくても「英語のわかる人間はあっちにいるから」とわざわざ案内してくれる丁寧ぶり(?)が見られました。駅にある自動券売機は、英語にもスペイン語にも対応しています(日本語は非対応)
また、エッフェル塔やルーブル美術館などの主要観光スポットでチケットを購入する際、ほぼ確実に英語は通じます。英語のパンフレットも置いてあり、ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿では日本語のパンフレットや音声ガイドまであります。
そして、買い物をする際も、大手百貨店や高級ブランド店、大型スーパーなどは英語が余裕で通じます。一度、百貨店で買った商品を払い戻す際、フランス語しか通じなかったらどうしよう・・・と恐る恐るレジに声を掛けに行くと、英語であっさりOK。ただ、個人の小さな店だと英語でなくフランス語しか通じないことも。
また、スーパーで買い物する際、英語が選択できるセルフレジが設置されている場合もあるので「フランス人にナメられたくない」と思ったらこちらを選ぶのも手です。ただし、日本人だからとあからさまな差別を感じることはほとんどありませんでしたが。
結論を言うと、英語の日常会話で問題なければ、フランス・パリでもほぼOK。でも、おなじみ“ボンジュール”や数字をはじめ、「どこ?」「「なに」「ありがとう」程度の簡単なフランス語を覚えておくほうが、相手の対応がガラっと違うことも。気持よく旅するには“郷に行っては郷に従え”で、カタコトでもフランス語をある程度、覚えて損はありませんよ。