書店によると「万引き1冊分の損害は10冊程度売らないとカバーできない」とも言われ、万引きにより閉店する小売業もある。
そんな万引き犯を鋭い眼力で見つめる職人がいる。それが『万引きGメン』だ。
スーパー・ホームセンター・書店などの店内を、一般客を装って巡回。万引きの犯行の一部始終をチェックし、店外に出たところで声をかける――。“私服保安員”と呼ばれる万引きGメンの仕事である。
万引きGメンの仕事ぶりやエピソードがたくさん詰まった『万引きGメンは見た!』(河出書房新社)。この本の著者である万引きGメン歴10年以上の経験をもつ、伊東ゆうさんにお話をお伺いした。
伊東さんは現在、フリーで活動中の万引きGメン。
貸金業界より現職転身という異色の経歴をもち、万引き犯補足活動に加え、漫画の原作やコラム等の執筆業でも活躍中。世界空手道連盟指導員・二段を持つスゴ技万引きGメンである。
基本的に万引きGメンは警備会社から、発注のあったお店に派遣される。
店内を歩き回り、仕草・行動・目線など、あらゆる挙動で瞬時に万引き犯を判断する。
◆万引き犯がとる行動の特徴は?
「万引きをしようと思っている人は、どこか通常の心でいられないため、一見何も問題ないように見えても、店に入ってきた時、通路を歩いている時、あるいは棚を眺めている時の挙動で“こいつ、やるな”とわかります。僕はこのような雰囲気が出ている犯人の状態を『バリ挙動』と呼んでいます。『バリ挙動』とは、Gメン仲間での造語で、明らかに不審な様を言います。
また、犯人が歩いているときのヒジの動きだけでわかる事もあります。“次はここの角を曲がる”など犯人が行く方向も全てお見通し。特に、肩掛けのバッグのチャックを開けていたり、カートの手前に大きい袋をもってきている人は怪しい。モノをバッグに入れようとしている人は下を向いています。普通の人は下を見ながら買い物するという事はないのでわかりやすいです」
伊東さんは店の外観を見ただけで、その店に万引き犯がいるかいないかわかるという。そういう店はどことなくダークな雰囲気が出ていて、煌々と明かりがついていても“やられてる感”が出ているのだそう。
Gメンの中でも“見える人”と“見えない人”がいて、早い人はGメンになってからすぐにでも判断ができるという。
◆今までに見た大胆な万引きは?
「化粧品売り場で棚の端から端まで化粧品を全部袋に入れていたという事がありました。このレベルになると完全に転売目的で、何人かで窃盗を行う場合もあれば、1人で棚の商品全部持っていく事もある。店の人も、犯人が店を出るまでは捕まえてはいけないという決まりがあり、なかなか万引き犯を注意できない事が多いんです。
また、複合施設で1つ1つのショップを万引きしながら全部巡る女子高生や、ウォシュレットの入った箱5つを2回に分けて、両脇や足の間などに挟みながらバイクで逃げようとする内装店社長などもいました。その社長はウォシュレットを持って走って逃げたため、僕も全力で走って追いかけました。
初犯は持っていく商品が1個〜2個だが、常習犯になると1回で商品100点(10万円相当)を持っていこうとしたりするんですよ」
また、万引き犯を捕まえた瞬間に暴力を振られて病院送りになる事もあるそう。犯人が逃げようとして走り出した車に引きずられた仲間もいた。
このような危険な現場だが、伊東さん曰く、「犯人に『捕まえてくれてありがとう』と言われるとGメンをやっててよかったと思います。常習犯はもう癖になっていて、やるつもりがないのにやってしまうんです。」
万引き撲滅、そして万引きGメンの地位向上のためにも、さまざまな活動を続ける伊東さん。
そんな、たくましくてワイルドで男らしい伊東さんは、可愛い娘さんに選んでもらった「iPhoneケース」を大事に使っている。
それがこちら。
それがこちら。
きゃわいい〜。
今回掲載した内容のほかにも、万引き犯の特徴、声のかけ方、かけた後の対処など興味深い話がバンバン出てくる伊東さんの著書『万引きGメンは見た!』(1575円)。
これを見ればあなたにも、万引き犯が見つけられるかも!?
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費地に放射性物質の廃棄物を戻せという議論に発展する」と忠告する電話があった。