山のトイレ事情は深刻である。
「高冷地の為汚物は分解されません。トイレットペーパーは便器に捨てずに外付けの箱の中に捨てるべし。」
「分解されない汚物は貯まるとヘリで下界に降ろします。お金がかかるので宿泊者以外は使用料100円を払うべし。」
「山では水も貴重な資源です。水洗トイレじゃなくても我が儘を言わず平然と構えるべし!」
山のトイレにはアンモニアの刺激臭で眼を開けていられないほどの強者もいる。昨今の山ブームに於いて汲み取り式のトイレなんぞ使ったことのない山ガール達にとっても悩みのタネの一つであろう。山オンナのトイレシュランとは、筆者である山暦5年目の「あたい」が訪れた山に設置されているトイレについて11段階評価で☆を付けていく一大プロジェクトなのである!


「山と便器」第十一回
【剣山荘のトイレ】
評価:☆☆☆☆☆
使用日:2010年8月19日



悪天候の為、3度目にやっと登ることができた剱岳。室堂(※1)からのルートを辿って剱澤野営場を越えた先にある剱岳に一番近い山小屋が剣山荘(けんざんそう)。小屋のトイレは屋内にあるので靴を脱いで使用するが、扉を開けてみると、あれ?普通の家のトイレ?暖房便座?トイレットペーパーを捨てる箱がない???水洗〜!?
全くもって信じられない!一日かかりで辿り着いた場所にあるトイレには到底思えない。
凄い!北アルプスの底力とはここにあったのか!映画の影響(※2)もあるのか・・・。
そして、☆は出ました!満点!
小屋の中もしかり、清潔そのものでいつか泊まってみたいかもしれない。
でも剱岳は1回登ればいいかもしれない・・・。

(※1)北アルプスの室堂。長野県扇沢からトロリーバスやロープウェイなど使って入るルートと、富山県からバスなど使って(マイカーは入れない)立山有料道路を使って入るルートがある。山に登らずに室堂観光だけに来る観光客も。
(※2)新田次郎の小説「劔岳 点の記」を原作とした木村大作の初監督映画作品。内容はさておき、剱岳に登ってから映画を観るとスタッフ及びキャストの体力に脱帽する。


トイレットペーパーあり。 +1点
扉の鍵が壊れていない +1点
便器が汚れていない。 +1点
虫がいない +1点
山のトイレの基本を超越している +1点(説明1)
トイレに対しての工夫があるか +1点(説明2) 
どうなってるの!?ていうかむしろいい香り!! +2点

計8点

説明1:トイレットペーパーを流せる、山のトイレじゃない。
説明2:水洗

いや〜トイレって、本当にいいものですね。



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