山のトイレ事情は深刻である。
 
「高冷地の為汚物は分解されません。トイレットペーパーは便器に捨てずに外付けの箱の中に捨てるべし。」
「分解されない汚物は貯まるとヘリで下界に降ろします。お金がかかるので宿泊者以外は使用料100円を払うべし。」
「山では水も貴重な資源です。水洗トイレじゃなくても我が儘を言わず平然と構えるべし!」
山のトイレにはアンモニアの刺激臭で眼を開けていられないほどの強者もいる。昨今の山ブームに於いて汲み取り式のトイレなんぞ使ったことのない山ガール達にとっても悩みのタネの一つであろう。山オンナのトイレシュランとは、筆者である山暦5年目の「あたい」が訪れた山に設置されているトイレについて11段階評価で☆を付けていく一大プロジェクトなのである!




「山と便器」第十二回
【大汝休憩所のトイレ】
評価:☆☆☆☆
使用日:2010年8月18日

北アルプスの立山(※1)の最高峰、大汝山にある小屋が大汝休憩所。8月の中旬、日付だけは真夏だが、小屋の中は軽く石油ストーブが焚かれるくらいひんやりする気温だった。
(※1)立山とは雄山(おやま)、大汝山(おおなんじやま)、富士ノ折立(ふじのおれたて)の3つの山の総称。室堂から最初の山である雄山の頂上にある雄山神社では500円を払うとお祓いしてくれる。
 
小屋の奥にあるトイレに入ってみると、明るく開放感抜群。最近できたトイレで、木造のトイレは新築の家の様ないいにおいがした。
ペダル式であるが水洗で、トイレットペーパーも完備。確か紙は箱に捨てた記憶があるが・・・。
小屋の主人とトイレについて話していると、一応トイレ使用料なんて言って100円とか入れてもらってるけど、そんなの雀の涙でさ。トイレだけでも家が一軒建つくらいかかったんだよ。
とのこと。よくよく聞いてみると、古いトイレの撤収、建立に5000万かかったそうだ。
トイレ使用料はケチらずにきちんと払わなければいかんと思った次第である。


トイレットペーパーあり。 +1点
扉の鍵が壊れていない +1点
便器が汚れていない。 +1点
虫がいない +1点
山のトイレの基本を超越していない 0点
トイレに対しての工夫があるか +1点(説明1) 
どうなってるの!?ていうかむしろいい香り!! +2点

計7点

説明1:ペダル式だけど水洗。本当に広くて気持ちいい。


いや〜トイレって、本当にいいものですね。


【編集部のイチオシ】