今回、ファッションが再現されたマンガ家は、まず昭和初期に少女たちの絶大な人気を集めた故・中原淳一さん。のちの少女マンガにも大きな影響をもたらした抒情画で知られ、「少女マンガとファッション」の原点として欠かせない存在だ。今回、京都発ブランドとして地下足袋や和服などを製作、販売する「SOU・SOU」とコラボレーションし、中原作品に登場する和装が再現された。
また、『あらしをこえて』『プチ・ラ』などの作品で人気を博し、フリルやお花などの満ちあふれる世界をマンガで描き、戦後の少女たちからあこがれの的となった高橋真琴さんの作品も。京都にあるウェディングドレスのオーダードレス専門店「verona」とコラボして高橋真琴作品の真骨頂ともいえるウェディングドレスが再現されることになった。
当日、1000人を超える申込者から選ばれた150人の男女らが見守る中、ファッションショーがスタート。マンガのイラストが映し出されるとともにその衣装を着たモデルたちが登場してステージを歩くたび、大きな拍手を浴びていた。特に、高橋真琴さんが描いて再現された白く美しい、あでやかなウェディングドレス姿のモデルが登場すると、観客らの拍手はピークに達した。
その後、デザイナーらによるトークショーが行われた。ファッションを再現するにあたって製作での苦労話をはじめ、実際に登場したドレスを描いていた当時のエピソードなどを披露。また「和装」のよさを現代の少女たちに知ってもらいたい、今回登場したウェディングドレスをぜひ誰か花嫁に来てもらいたいなどの提案も出た。
通常、マンガ=夢の世界、とのイメージがあるものの、今回、2次元の世界が3次元となって再現され、少女たちの夢が現実になった意味は大きいと感じた。次回、他の人気少女マンガに登場するファッションが再現されるようなイベントを今後もぜひ続けて開催して欲しいし、日本が誇るマンガ文化だからこそ、海外からの注目もより大きく集まるはず。
なお、今回のファッションショーに関連した展覧会「少女マンガとファッション 中原淳一と高橋真琴の世界」は、3月30日から7月1日まで同ミュージアムで開催される。入場無料(ただしミュージアム入場料は別途必要)。今回のショーで登場した衣装も展示されるので、ぜひとも足を運んで見てみて欲しい。
取材協力
京都国際マンガミュージアム
(Written by Aki Shikama)
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