JR大阪環状線の弁天町駅そばにある交通科学博物館が今年50周年を迎えた。開館時、蒸気機関車1両と客車3両だったのが、いまや0系新幹線や7100形蒸気機関車「義経号」など約20もの貴重な車両を展示。鉄道以外にも、自動車や飛行機の展示、大型ジオラマや鉄道模型の運転シミュレーターなどがあって子どもから大人まで楽しめる、大阪にある人気観光スポットの1つだ。

同館がオープンした昭和37(1962)年といえば、日本が高度成長期のまっただ中で鉄道をはじめとした交通機関が発展を遂げていた頃。そして今、50周年という節目の年を迎え、50周年記念イベントが開催されている。

まず、開館当時の昭和30・40年代の交通に着目し、どのような乗り物が登場して普及していったかを『コウハク家』という架空の一般家庭の目線から紹介するコーナーが設けられている。展示入口には「ダイハツミゼットMPA」があり、「0系新幹線」「YS−11型旅客機」の縮小モデル、「スバル360DX」なども。かつての駅ホームや鉄道のある生活風景を再現したジオラマ模型、当時の切符やパンフレットなども必見で、思わずタイムトリップした気分が味わえる。

その他、日帰りが可能になったといわれたビジネス特急「こだま」、155系修学旅行専用電車「きぼう・ひので」をはじめ、日本航空が就航した初めてのジェット機「ダグラスDC−8」や日産の人気大衆車「サニー」の紹介など。当時の懐かしい写真もパネルでたくさん展示されている。

さらに毎月1種類、1年間で12種類の記念限定入館記念券が配布され、蒸気機関車には記念のヘッドマークも。記念展『コウハク家の歴史』は5月27日まで。

記念展では、日本の交通機関がどんどん発達して普及していった過程がとてもよくわかるのと同時に、当時の『食』『住』なども一緒に紹介されている。『昭和レトロ』と呼ばれる古き良き時代をまとめて学ぶことができ、懐かしさと同時に改めて勉強になるはず。記念展以外にも実際に体験できるコーナーも多く、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがだろうか。
取材協力:交通科学博物館


(Written by Aki Shikama)


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