正直「麗水って、どこ?」と思う人が、もしかしたら現時点で大半かもしれない。記者自身、万博が開催されることを知り、初めて麗水という場所を知ったほどだ。知り合いの韓国人は「麗水?地名は知ってたけど行ったことない」とのこと、「万博するまで何もなかったところ」とまで言っていた。
韓国人にとっても「マイナー都市」なのだから、日本からどうやって向かうか、その公共交通ルートの情報も開幕直前までわからなかった。なんとか現地に行ってやっとわかったことも多々あり、以下にまとめてみた。
■ソウル〜麗水
日本から向かうなら、ソウル入りが一番便利。東京や大阪をはじめ、地方からソウルに就航する便もかなり多い。そのソウルから鉄道の「KTX」(韓国版新幹線)で向かうのが一番わかりやすく、ソウルの韓国観光公社で「最もオススメのルート」と念を押された。
所要時間は、ソウル龍山駅から麗水エキスポ駅まで最短2時間57分。KTXは1ヶ月前から予約でき(ハングル・英語)、しかも、万博のチケットを持っていると運賃が『30%引き』になるのも大きい。麗水エキスポ駅は、万博会場の目の前だ。
また、ソウルの金浦空港から麗水空港まで「飛行機」で向かう手も。所要時間約55分。空港から万博会場までシャトルバスで約30分。済州島からの便もある。
■釜山〜麗水
韓国第2の都市・釜山へも、東京や大阪などからの飛行機の便が多い。また、博多や下関などからの船もある。この釜山と麗水は約160km離れており、ソウルより近いのは確かだが、公共交通機関が「高速バス」しかない。
所要時間は最短約2時間半。1日だけ往復するならいいが、2日以上になるとこの移動はけっこう身体にキツい。
また、高速バスは韓国在住者でないと事前予約できないので、早めにバスターミナルに行って切符を買う必要も。ただし本数は多い。麗水のバスターミナルまで万博会場からバスで約15分。
■博多〜麗水
博多から釜山を結ぶJR九州高速船「ビートル」が、万博期間中に麗水まで就航している。しかも、エキスポ会場内のターミナルに着くため、とても便利。毎日運航ではないので、運航日にくれぐれも注意。
■その他
もし、レンタカーなどの「乗用車」で万博会場に向かうと、乗り換え駐車場に誘導される。この駐車場から万博会場まで無料シャトルバス(約20分)が多数ある。
一方、大田や全州などソウルから麗水に向かうKTXの途中にある都市もオススメだが、麗水同様、宿泊施設の確保がまず先決。光州や木浦など大きめの観光都市にも宿泊施設があるので、ここから高速バスで向かう手も。韓国の高速バス網は驚くほどよく発達している。
ちなみに、麗水の切符売り場で英語が通じなかったが、地名のハングルを見せると運賃を電卓で表示してくれ、すぐ切符を買うことができた。案内表示板には英語が併記されていた。
最後に、日本で情報を得るなら、万博の公式ホームページをはじめ、東京や大阪などにある「韓国観光公社」もぜひ活用して欲しい。窓口での相談はもちろん、無料のパンフレットがもらえ、郵送もしてくれることもあって利用価値は非常に大きく、今回とてもお世話になった。
韓国観光公社
2012 麗水世界博覧会 公式ホームページ(日本語)
※2012麗水世界博覧会組織委員会の許可を得て取材、撮影しています。
※記事の情報は取材時のものです。(Written by Aki Shikama)
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