植村花菜が作詞・作曲し、紅白歌合戦にも出場して歌った『トイレの神様』。一度聞くと頭から離れないあの歌詞フレーズ、思わず口ずさんでしまう人も当時かなり多かったはず。
「トイレにはキレイな女神様がいる」―― と歌詞にはあるが、実は京都にその“トイレの神様”をまつる寺社が存在する。京都市北部、一乗寺にある狸谷山不動院だ。
狸谷山不動院は、あの宮本武蔵が心の剣をみがいたといわれる武蔵之滝があって修行場として知られる。急勾配な参拝道に加え、本堂まで続く250段の階段はかなりハードだが、登り切ったところの右手に真っ赤なのぼりで「トイレの神様うすさま明王」がすぐ見えた。
この烏瑟沙摩明王(うすさまみょうおう)は“この世の一切の汚れを焼きつくす”“不浄を清める力がある”といわれ、特に有名なのがトイレ(便所)を清めること。かつてトイレは家の中ではなく外にあり、“怨霊や悪魔の出入り口”と考えられていた。そのため、今でも京都では家やオフィスなどのトイレで烏瑟沙摩明王のお札が貼られていることが多い。境内にある烏瑟沙摩明王をまつっている祠(ほこら)はとても小さい。だが、真っ赤なのぼりがよく目立つ。
狸谷山不動院によると「以前からトイレの神様として信仰を集めていましたが『トイレの神様』のヒットで、さらに問い合わせや参拝者が増えたのは事実です。また、下半身の病気にもご利益があるといわれ、40代ごろの女性の参拝も多いですね」とのこと。社務所では、トイレを清浄に保つ烏瑟沙摩明王のお札(1つ500円)があり、ホームページでの郵送申し込みも受け付けている。
京都市の北部にある狸谷山不動院は、中心部から少々離れており、なかなか気軽に訪れるのは難しいかもしれないが、森と水が豊かで自然にあふれ、本堂からは京都市内が一望できる眺めがすばらしい。
狸谷山不動院
(Written by Aki Shikama)
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