山のトイレ事情は深刻である。
「高冷地の為汚物は分解されません。トイレットペーパーは便器に捨てずに外付けの箱の中に捨てるべし。」
「分解されない汚物は貯まるとヘリで下界に降ろします。お金がかかるので宿泊者以外は使用料100円を払うべし。」
「山では水も貴重な資源です。水洗トイレじゃなくても我が儘を言わず平然と構えるべし!」
山のトイレにはアンモニアの刺激臭で眼を開けていられないほどの強者もいる。昨今の山ブームに於いて汲み取り式のトイレなんぞ使ったことのない山ガール達にとっても悩みのタネの一つであろう。山オンナのトイレシュランとは、筆者である山暦5年目の「あたい」が訪れた山に設置されているトイレについて11段階評価で☆を付けていく一大プロジェクトなのである!


「山と便器」第二十一回
【高瀬ダムのトイレ】
評価:☆☆☆
使用日:2011年9月24日
 

河原から温泉が出てくる湯俣温泉。ここに入るにはもの凄く熱い源泉(80〜90度)と、川の水を上手い具合に混ぜ合わさる場所を掘って自分で天然の湯船を作る所から始まる。
そんな野性味溢れる湯俣温泉の入り口、高瀬ダムにあるトイレを今回は紹介したい。
まず高瀬ダムに入るには、まずは七倉まで車などで入る。ここから先はマイカーの乗り入れができないので、タクシーで高瀬ダムまで行くか(10分)、歩いて行くか(60分)となる。
歩くこと一時間。高瀬ダムに到着。くねくねと蛇行した道を登り、ダムのてっぺんまで歩いていく。
ダムを横目に見ながら進んでいくと、時間的にいい場所に公衆トイレらしきトイレが見えてくる。
マイカーは入れないが、決められた車が入れる場所であるためかトイレットペーパー完備、水洗。手を洗う洗面器の水道は凍結防止の為水を完全に止めてはいけないとのこと。
トイレの先には長くて真っ暗なトンネルが何個も続き、入り口に懐中電灯は置いてはあるが、電気を消すと前後上下がわからなくなるほどの暗闇の中に閉じこめられる。
その先を3時間ほど歩くと、立派な山小屋(晴嵐荘)が視界に入って来るが、更に10分ほど河原沿いを歩き、河原に温泉が湧く湯俣温泉がお目見えする。
真っ暗闇のトンネルを越えることが本当に怖いが、その恐怖を越えて待っている温泉はまた格別なものであった。

トイレットペーパーあり。 1点
扉の鍵が壊れていない。 1点
便器が汚れていない。 1点
虫がいない 1点
山のトイレの基本を超越している。 1点 ※水洗なので。
トイレに対しての工夫がない 0点
信じられない!無臭 1点
 
計6点

いや〜トイレって、本当にいいものですね。


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